大学受験を控えた高校生のみなさんの中には、予備校や塾へ通うことを検討している方も多いのはないでしょうか?
日本には数えきれないほど、さまざまな予備校や塾があります。
ではみなさんは、予備校と塾の明確な違いは分かりますか?
今回は、予備校と塾それぞれの特徴やメリット・デメリットについてご紹介しながら、その違いについて探っていきたいと思います。
これから予備校や塾に通うことを検討していたり、塾・予備校選びに迷っているという方は、ぜひ参考にしてください。
予備校と塾の特徴
予備校も塾も、「勉強を教える場」ということに変わりありません。
広辞苑には、以下のように載っています。
予備校 よび-こう
①大学などの入学試験のための教育をする各種学校。
②古く、大学入学予定者に予備教育をした学校。大学予備門。
塾 じゅく
①勉学を教授する私設の学舎。
これだけではいまいちよく分かりませんので、まずは予備校と塾それぞれの特徴を見ていきましょう。
予備校の特徴
広辞苑にも載っているように、予備校とは「入学試験のための対策を行う場所」だといえます。
また、高校生や浪人生を指導対象とした、大学受験特化型の指導を行っているのが一般的です。
指導形式は、講師が複数の生徒に対して一方的に説明を行う「講義形式」をとっています。
大学入試合格を目的とした講義なので、高校の学習内容をある程度理解している前提で進められます。
実績豊富なプロ講師や、個性的な指導法の人気講師など、名物講師の講義を受けることも可能です。
講義内容のレベルが高いため、進学校に通っている生徒や勉強習慣が身に付いている生徒が予備校に向いているといえるでしょう。
塾の特徴
塾は一般的に、小学生・中学生・高校生を対象とし、学校の授業の補助や苦手克服、定期テスト対策などを目的とした指導を行っています。
指導形式は、「授業形式」です。
講師が複数人または個人に対して、双方コミュニケーションをとりながら授業を展開します。
分からないところや疑問点があれば、すぐに質問することができます。
講師も、現役大学生~プロ講師まで幅広いです。
塾は予備校に比べると、塾ごとに指導形式や対象学年、授業のレベルなどに大きな差があります。
ある塾では集団授業だったり、ある塾ではそもそも授業を行っていなかったりと、塾ごとにスタイルが大きく異なるというのも、塾の特徴の一つではないでしょうか。
予備校と塾の比較
予備校と塾の違いについて、分かりやすく表にまとめました。
予備校 | 塾 | |
---|---|---|
対象 | 高校生・浪人生 | 小学生・中学生・高校生 |
指導形式 | 講義形式 | 授業形式 |
目的 | 大学受験 | 定期テスト対策・中学受験・高校受験 |
講師 | プロ講師 | 学生アルバイト講師~プロ講師 |
以上が、一般的な予備校と塾の違いです。
もちろん、すべての予備校・塾がこれらに当てはまるわけではありません。
大学受験に特化した塾もありますし、個別講義を行う予備校もあります。
あくまでも一般的な特徴をまとめたものなので、実際の特徴などについては各予備校・塾の公式HPでご確認ください。
予備校のメリット・デメリット
ここまでで、予備校と塾の違いについては理解していただけたでしょうか?
ここからは、予備校と塾それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
まずは、予備校のメリット・デメリットを見ていきましょう。
予備校のメリット
【大学入試の情報が豊富】
大学受験に特化した指導を行っているため、大学別の入試情報が豊富にあります。
出題傾向・問題形式・問題の難易度などを独自で調査・分析し、生徒に提供しています。
そのため、志望校に的を絞って効率的な勉強をすることができるでしょう。
また講師には、大学入試指導のプロが多く集まっています。
全国的にも有名な講師や、個性的で人気の講師による講義を受けられる場合もあります。
大学入試に必要な知識を、プロ講師による分かりやすい講義で勉強できるのが、予備校の魅力の一つです。
【勉強に最適な設備や環境】
塾と比べると生徒数も多く、教室や校舎自体の規模も大きい傾向にあるのが予備校。
そんな予備校には、受験勉強に最適な環境が整っています。
自習室や相談室、面談室、資料室など、大学受験に役立つさまざまな設備が用意されています。
また、受験シーズンは精神的に不安定になりやすい時期のため、メンタルケアを行うスタッフが常駐している予備校もあります。
ビルがまるごと予備校になっているようなところもあり、勉強に最適な設備が非常に充実しています。
予備校のデメリット
【基礎学力が必要】
何度もお伝えしているように、予備校は大学受験対策のための指導を行う場所です。
学校の授業内容はすべて理解できている前提で進められるため、講義内容はハイレベルなもの。
そのため、基礎が固まっていなければ講義についていくことはできません。
基礎がしっかりと身に付いていない状態では、せっかくの講義をただ聞き流すだけになってしまいます。
ハイレベルな講義を受けただけで、何となく勉強した気分になってしまう危険性もあるため、注意が必要です。
【自学自習が重要】
予備校では普段の勉強法や勉強計画までは指導してくれません。
あくまで大学入試合格に向けた講義を行うだけで、講義中の質問などもできない場合があります。
そのため、講義内容の予習・復習は、生徒自身の自学自習にゆだねられています。
講義を受けただけでは成績は上がりません。
講義内容をしっかりと理解するための予習・復習が何よりも肝心なので、正しい勉強習慣を身に付けた上で予備校に通いましょう。
塾のメリット・デメリット
つづいて、塾について見ていきましょう。
塾のメリットとデメリットは以下の通りです。
塾のメリット
【個別指導が可能】
塾は大きく分けて、「個別指導型」と「集団授業型」の二種類に分かれます。
最近では、個別指導型の塾が増えており、人気も高いです。
理由としては、講師と生徒がマンツーマン形式で授業を進めていくため、質問や相談がしやすいという点です。
集団授業型の塾の場合も、予備校とは違って授業中に質問したり、授業後に相談することもできます。
基礎を固めたり、苦手を克服したり、定期テストの対策をしたり、生徒1人ひとりに合わせた指導が可能です。
そのため、授業についていけない…というような悩みが生じることはないでしょう。
【進路指導や勉強法のサポート】
塾は予備校と比べて講師と生徒の距離が近いため、授業だけでなく進路に関する相談や普段の勉強法に関する指導も行っています。
生徒1人ひとりの学力や苦手分野、適性・性格なども把握しているため、適切な進路指導が可能です。
また、塾以外の時間の勉強についてもサポートしてくれます。
宿題や勉強計画、効率的な勉強方法の指導により、基礎学力の向上・偏差値アップを目指せるでしょう。
塾のデメリット
【アルバイト講師の場合が多い】
塾講師は、現役の大学生などのアルバイトが多い傾向にあります。
アルバイト講師が悪いわけではありませんが、プロの講師と比べるとどうしても指導力は落ちてしまいます。
現役大学生は、最新の受験情報に触れていたり、大学生活の様子などを聞くことができますが、教育指導者としての能力は予備校のプロ講師ほど高くはありません。
決して、学力がある=指導がうまいというわけでないので、塾講師の指導力が気になる方は、体験授業などで確かめてみてはいかがでしょうか?
【設備が不十分】
ビルがまるごと校舎になっている予備校などと比べると、塾は比較的小規模なところが多いです。
そのため、自習室の総席数が少なくて自由に利用できなかったり、赤本や参考書などの資料が少なくて不便に感じることもあるかもしれません。
また、自習室や資料室などの利用は別途料金が必要になることもあります。
基本料金の他にも、オプション料金が発生する可能性が高いので、注意が必要です。
最近では自習室などの設備が充実した塾も増えているので、詳しくは各塾の公式サイトで確認してください。
予備校と塾の違い|まとめ
今回は、実は意外と知らない予備校と塾の違いを解説いたしました。
予備校は、大学入試の最新情報をゲットして、自ら計画を立てながら受験対策をしたい!という方におすすめです。
対して塾は、志望校選びから効率的な勉強法まで幅広いサポート受けながら、日々の勉強習慣を身に付けたい!という人におすすめです。
ここまで、予備校と塾の違いについてご紹介してきましたが、実際のところ、名前だけでは区別できない部分でもあります。
そのため、気になる予備校や塾がある方は、気軽に問い合わせてみてください。
無料相談や無料体験授業をを随時募集しているところも数多くあるので、積極的に利用しましょう!