受験や就活の時によく耳にする『学歴ロンダリング』。
大学院進学を考えている人や理系の人にとっては馴染み深い言葉かもしれませんが、どんな意味なのか詳しく知らないという人も多いですよね。
学歴ロンダリングとは、どのようなものなのでしょうか?
そこで、この記事では、『学歴ロンダリングとは?』というところから、学歴ロンダリングの意味や、メリット・デメリット、就活への影響などをご紹介していきます。
ネガティブなイメージのある言葉ですが、実際のところはどうなのか見ていきましょう!
学歴ロンダリングとは?
結論から述べると、学歴ロンダリングとは、出身大学よりレベルの高い大学院に進学・卒業して、最終学歴をより高く見せることです。
この学歴ロンダリングという呼び方はどこから来ているのでしょうか。
この部分では「学歴ロンダリングとは?」というところから「学歴ロンダリングの語源」や「学歴ロンダリングの効果」などの詳細をご紹介します。
語源|学歴ロンダリングとは?
『学歴ロンダリング』の語源は「マネーロンダリング」にあるとされています。
マネーロンダリングとは、その名の通りマネー(英:money)=資金を、ロンダリング(英:laundering)=洗浄する行為を指します。
具体的には、脱税、粉飾決算などの犯罪によって得た資金(通称:汚れた金)を、架空口座や他人名義口座を利用して転々と送金を繰り返すことで出所を隠蔽、正当な資金に見せかける犯罪行為です。
汚れた金を洗浄して綺麗な金に見せかけることから、マネーロンダリングと呼ばれています。
このマネーロンダリングが語源となり、学歴ロンダリングはネットスラングの1つとして生まれました。
別の呼び方|学歴ロンダリングとは?
学歴ロンダリングには様々な呼び方があり、学歴ロンダリングとは別に大学院ロンダリング、学歴ロンダ、院ロンダと呼ばれることもあるようです。
犯罪が語源となっているので、学歴ロンダリングはネガティブな意味合いで使われることが多いと考えられます。
効果|学歴ロンダリングとは?
結論から言うと、学歴ロンダリングをすると最終学歴がより高偏差値の大学に見えるようになります。
例えば、「偏差値55程度のB大学を卒業した人が、偏差値60程度のA大学の大学院に進学」という行為が挙げられます。
この場合、最終学歴は出身のB大学ではなく、B大学より偏差値やランクが上のA大学になるという訳です。
学歴ロンダリングという行為自体には、決して違法な点はありませんが、その語源や世間の評価などから、ネガティブな印象を受ける人も多いようです。
学歴ロンダリングのメリット
ネガティブなイメージがついている学歴ロンダリング。
しかし、学歴ロンダリングには多くのメリットが存在します。
この部分では、学歴ロンダリングのメリットを3つ紹介していきたいと思います。
■学歴ロンダリングのメリット
- 就職活動に役立つ
- 学歴コンプレックスの解消
- 高度な研究が可能
就職活動に役立つ
就職活動において、学歴というのはとても大事な要素として捉えられています。
もちろん学歴が全てではありませんが、エントリーシートに書かれた限られた情報から就活生のことを知る必要がある企業側にとって、学歴は重要だといえるでしょう。
企業側は、「どういった大学でどのような研究をしてきたのか」を知ることで、就活生の強みや特性を見極めます。
また、出身大学よりも高いランクの大学院に進学するという事は、向上心が強く努力家であると捉えられるかもしれません。
多くの企業には、最終学歴によって就職希望者を絞る、いわゆる学歴フィルターが存在することも事実です。
ランクが高い大学院に進学することで最終学歴が上がり、学歴フィルターによって希望の就職先に挑戦できない、ということは減るのではないでしょうか。
学歴コンプレックスの解消
大学受験に失敗して志望大学には入れなかった…
地方大学出身だが首都圏の大学に憧れている…
こういった悩みを持っている方にも学歴ロンダリングはおすすめできます。
自分の出身大学に対してコンプレックスを持つ方でも、学歴ロンダリングによって希望の大学院に進学すれば最終学歴を高く見せることができるため、いわば学歴の上書きが可能です。
最終学歴というのは、は就職のためだけではなく、友人や親、周囲の人からの評価にも関わります。
今後の人生においても何かと登場しがちなので、学歴ロンダリングはコンプレックスを解消する貴重なチャンスとなるでしょう。
高度な研究が可能
学歴ロンダリングとは直接結びつくメリットではありませんが、間接的に「高度な研究が可能」というメリットも挙げられます。
前述の通り、学歴ロンダリングとは在学中の大学よりも上のランクの大学院に進学して学歴をよく見せることなので、進学先の大学院ではハイレベルな研究をしているところが多いです。
目的は学歴をよく見せるためでも、結果として高度な研究ができたり、専門的な知識を深めることができます。
もしかしたら、研究者という新しい道も開けるかもしれませんね。
- 研究による高ランクな大学院への進学は学歴ロンダリングと呼ばない
- 研究目的で出身大学とは別の大学院に進学するという行為は、本来ならば学歴ロンダリングとは呼びません。
- なぜならこの場合、結果的に出身大学よりも高ランクな大学院に進学することになった、というだけだからです。
学歴ロンダリングのデメリット
学歴ロンダリングには多くのメリットがある一方、デメリットもいくつか存在します。
デメリットやリスクを理解した上で、学歴ロンダリングをするかどうか検討してみてください。
■学歴ロンダリングのデメリット
- 失敗するリスクがある
- 時間とお金がかかる
- 卒業しなければ意味ない
- 交友関係を広げる努力が求められる
失敗するリスクがある
学歴ロンダリングをするためには、当然、大学院への入学試験を受けなければなりません。
大学院の試験は大学入学試験よりも比較的簡単と言われています。
その理由としては、倍率の低さや選択問題の多さなどが挙げられますが、それでも入学試験を受ける以上、試験に落ちるというリスクは少なからず存在します。
落ちてしまった場合には、就活が遅れてしまったり、大学院浪人になる可能性があるため、失敗した場合のリスクも理解しておきましょう。
時間とお金がかかる
学歴ロンダリングのデメリットの2つ目として、膨大な時間と多額なお金がかかるという点が挙げられます。
大学院では、2年間という決して短くはない時間と、受験費用や学費など多額なお金がかかります。
「最終学歴を良く見せる」という目的だけで進学し、いい加減に2年間を過ごすとなると、得られるものよりも失うものの方が大きいのではないでしょうか。
最終学歴を良く見せたいがために学歴ロンダリングを考えている人は、学歴のために進学することと、大学を卒業して社会人経験を積むことの2つを天秤にかけることをおすすめします。
卒業しなければ意味ない
卒業しないと意味ないことも、学歴ロンダリングのデメリットです。
最終学歴のためだけの学歴ロンダリングをすると、大学院での活動についていけず、中退してしまう可能性があります。
大学院は大学に比べて高度な内容を取り扱うため、大学院での活動に興味や関心、やる気がなければ続かないでしょう。
そして、中退すると結果的にマイナスな印象を与えかねず、意味ないものになってしまいます。
最終学歴のためだけに学歴ロンダリングをしようと考えている人は大学院進学後の生活についても考えた上で最良の選択をしましょう。
交友関係を広げる努力が求められる
学歴ロンダリングのデメリット4つ目は、進学後に過ごしやすい生活を送るための努力が求められることです。
大学院では既に内部進学者同士や教授との間に人間関係がある程度構築されていることが考えられます。
そのため、学歴ロンダリングのように外部進学をした場合、人間関係を1から構築する必要があるため、苦労してしまう可能性があるのです。
「研究だけに集中すればいいだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、人と話すことで見つかる発見や情報が研究に繋がることも考えられます。
大学院生活を有意義なものにするためにも、研究に没頭するだけではなく、なるべく交友関係を広げる努力をするようにしましょう。
学歴ロンダリングは就職において意味ない?
学歴ロンダリングを考えている人の中には「就職活動で学歴をより高く見せたい」と思っている人もいますよね。
実際、学歴ロンダリングをした場合に就活で良く見られることはあるのでしょうか。
この部分では学歴ロンダリングは就活で意味ないのか?というところについて解説していきます。
学歴ロンダリングで就職が有利になるとは限らない
結論から言うと、学歴ロンダリングは就活において有利になるとは限りません。
もちろん、学歴ロンダリングのメリットの部分で説明した通り、学歴ロンダリングを「努力した、向上心がある」と受け取る人はいるでしょう。
しかし、面接時などに大学院に進学した目的や理由、その中で得たことを説明できなければ、「意味ない進学」だったと受け取られてしまう可能性があります。
また、大学院に進学して採用時の年齢が上がることによって選べる業界の幅が狭まってしまうことにも注意が必要です。
学歴ロンダリングを就活に活かすには、学歴を上げるだけでなく、大学院で実際に何をしたのか?ということを大切にしてみてください。
学歴ロンダリングをして後悔するケースもある?
ここまで「学歴ロンダリングとは?」というところから学歴ロンダリングに関する様々なことをご紹介していきましたが、実際に学歴ロンダリングを経験した人はどのように感想を持っているのでしょうか。
この部分では、学歴ロンダリングをして後悔することはあるのか説明していきます。
学歴ロンダリングをして後悔するケースはある!
結論から言うと、学歴ロンダリングをして後悔するケースは存在します。
具体的には、以下のような後悔するケースが挙げられます。
- 就職活動で有利になると思ったが、重視されていたのは学歴ではなく経験だった
- 情報を手に入れられず、自分に合わない研究室を選んでしまってうつ状態になりかけた
- 2年間学歴のために過ごすことと社会経験を積むことを比べて20代の貴重な時間を無駄にしたことに気づいてしまった
このように、学歴ロンダリングが必ずしも良い結果をもたらすことは無く、後悔する人もいるようです。
学歴ロンダリングを検討している人は、後悔しないためにも、目的や今後の生活のことを考慮に入れながら慎重に進めることをおすすめします。
学歴ロンダリングとは?|まとめ
今回は、世間的にネガティブな印象を持たれている学歴ロンダリングとはどのようなものなのかをご紹介しました。
学歴ロンダリングとは出身大学よりレベルの高い大学院に進学して、最終学歴をより高く見せることを指します。
犯罪でも悪いことでもないので、周りの意見を気にすることなく、しっかりと自分自身で選択した道に進みましょう。
就活や今後の人生において、最終学歴だけが全てではないので、慎重に検討してみてください。
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