大学受験を控えた高校生や既卒生にとって、模試は非常に重要な意味を持ちます。
ですが、さまざまな種類がある模試の中で、自分は何を受ければいいのか?と悩むこともあるのではないでしょうか。
今回は、そんな受験生のために模試の種類を詳しく解説するとともに、予備校ごとの模試の難易度や特徴をご紹介します!
本当に大切にすべきことを忘れないためにも、なぜ模試を受けるのかを理解し、模試との向き合い方も考えてみましょう。
そもそも模試を受ける意味って?
これまでに何度も模試を受けてきた人も、これから初めて模試を受けるという人も、今一度模試を受ける意味を考えてみましょう。
ただなんとなく受けるだけでは、模試の効果は十分に発揮されません。
何のために模試を受けるのかを理解した上で、模試に臨むことが何よりも大切です。
自分の立ち位置を知るため
大学受験に向けて、一生懸命参考書を読み込んだり問題集を解いたり、日々熱心に勉強していることと思います。
ですが、今の自分の実力を理解できているでしょうか?
高校の学力テストでは学内での順位を知ることができますが、それだけでは正確に実力を把握できているとは言えません。高校ごとに偏差値が異なる上に、テストの内容も違います。
そのため、今の自分の実力を正確に知るには、全国規模で実施される模試を受けることが効果的です。
高校生だけでなく浪人しながら受験に臨む既卒生も共に受けることになるため、大学受験に必要な力を正確に測ることができるでしょう。
また、同じ大学を目指すライバルたちの中で、自分がどれくらいの位置にいるのか把握できる、「次の模試までに合格判定をCからBに上げる!」というように明確な目標を立てることで、モチベーションアップにも繋がります。
苦手分野を把握するため
模試の結果を分析してみると、自分の苦手分野を正確に把握することができます。
例えば、数学に苦手意識がある人でも、「二次関数」の問題はほぼ完璧に解けているものの、「確率」の問題は不正解ばかりといったように、苦手な単元は人によって異なります。
得意科目の中にも、普段の勉強だけでは気付いていない苦手な単元が隠れているかもしれません。
ここで注意すべきなのが、ただ単に点数だけを見て判断しないこと。
受験者のほとんどが正解していない問題は難問や奇問なので、そういった問題に無理に向き合う必要はありません。
重要なのは平均点と自分の点数の差。平均点を下回っている科目・単元が、あなたの苦手分野です。
苦手分野を一つずつ克服していくことが、受験成功の大きなカギとなります。
模試を受けた後は、その結果を細かく分析し、今後の受験勉強に役立てましょう。
入試本番に慣れるため
普段、学校や塾・予備校で行うテストのほとんどは、問題の答えを直接記入したり、複数の選択肢から正解を選んだりするような解答形式となっているでしょう。
ですが、大学入学共通テストはマークシートを塗りつぶして回答する「マーク式」のテストです。
マーク式だからこそ起こりうるケアレスミスを避けるためにも、模試で慣れておく必要があります。
また、本番の雰囲気に慣れておくことも大切です。
例えば、野球部の部員たちは甲子園を目指して日々練習を行っていますが、ただひたすら練習するだけでは試合に勝つことはできません。
チーム内での紅白戦や他校との練習試合を行うことで、さらに成長することができます。
こういった実戦形式の練習こそが、受験でいうところの模試なのです。
試験会場では、試験中に話し声や騒音が聞こえることはありませんが、他の人がペンを走らせる音、咳払いや溜息など、気が散ってしまいそうになる雑音が実は多かったりします。
その試験会場独特の雰囲気や環境に慣れておけば、本番当日にいつもと違う環境で実力を十分に発揮できないということはなくなるでしょう。
つまり、試合(入試)に勝つ(合格)するためには、練習試合(模試)が必要なのです。
模試の種類
大学受験の模試にはいくつか種類があります。
大きく「マーク式」「記述式」「大学別」といった3つに分かれているため、それぞれ模試について詳しく見ていきましょう。
マーク式模試
マーク式模試とは、その名の通りマーク形式の模試であり、大学入学共通テスト対策に有効な模試です。
大学入学共通テストと同じマーク形式で、難易度としても共通テストと同等となっているため、受験者数が多いです。受験者数が多いということは、全国順位の信頼性が高く、現時点での自分の実力を正確に知ることができるでしょう。
大学入学共通テストは、高校での学習範囲の標準レベルを理解していれば解ける問題ばかり。
ですが、問題数が多いため、瞬時に問題を読み解く能力や時間配分、問題を解く順番を見極める能力を、模試を通して養う必要があります。
また、マーク形式の特徴として、問題を理解せずなんとなくで答えてもたまたま正解してしまうケースもあるため、結果を分析する時には注意しましょう。
記述式模試
記述式模試は、国公立大学の二次試験や私立大学の個別試験と同じ形式の模試です。
国公立大学の入試では、大学入学共通テストの点数と、大学が独自に行う二次試験の点数の合計で合否を判断します。
私立大学の場合は、大学独自の個別試験のみを行う一般入試と、共通テストの点数をもとに合否を判断する共通テスト入試に分かれます。
共通テストがマーク形式なのに対し、二次試験や個別試験は記述式の問題が出題されます。
記述式の問題とは、「下線部が指す事象について、具体的に説明しなさい。」というような、文章での解答が必要な問題です。
国語・英語・数学などあらゆる科目で、さまざまな記述問題があります。
問題の傾向を探りにくい上に、具体的な対策を講じにくいため難易度は極めて高いといえるでしょう。記述問題で点数を取るためには、実際に解いて慣れていくしかありません。
模試を上手く活用して、記述問題でも高得点を狙いましょう。
大学別模試
大学別模試は、大学ごとの出題傾向を反映した模試です。
全ての大学の模試があるわけではなく、旧帝大や有名難関大学のみが対象となっています。
過去の入試出題傾向などから各大学の特徴を分析して作成されている模試なので、実際の入試にかなり近い問題が出題されます。
東京大学や京都大学など、全国レベルで有名な難関大学では、ただ単に難易度が高い問題だけでなく他大学とは違った個性的な問題が出題されることもあります。
そういった問題に慣れるためにも大学別模試は有効です。
そのため、自分の志望校の大学別模試があるのならば、必ず受けておくべきだといえます。
同じ大学を目指すライバルたちの中で、自分がどのくらいの位置にいるのかを知る良い機会となるでしょう。
【予備校別】模試の難易度や特徴
それではここから、数ある模試の中でもとくに有名な4つの模試に絞って、それぞれの難易度や特徴をご紹介します。
4つの模試とは
「全国統一模試」
「駿台全国模試」
「東進模試」
「進研模試」
のことです。
全国統一模試|河合塾
全国統一模試は、全統模試と呼ばれる河合塾が実施する模試です。
さまざまな模試の中でも受験者数が最も多く、日本最大規模の模試として有名となっています。
模試の難易度としては普通レベル。
受験者数が多いので、順位や偏差値、判定の信頼性が高く、今の自分の学力を把握するのに有効な模試だといえます。
ほとんどの受験生が受ける模試のため、受けておいて損はないです。
駿台全国模試|駿台予備校
駿台全国模試は、駿台が実施している模試です。
主に、東京大学や京都大学などの最難関大学を目指す人が受験しています。
そのため、難易度としては最高レベル。
別名「残酷模試」とも呼ばれるほど、難しいです。
それだけ難しいため、この模試で順位が高い場合は、かなりの自信につながるでしょう。
東進模試|東進
東進模試は、東進ハイスクールが実施している模試です。
入試本番を想定した総合評価を受けられる、共通テスト本番レベル模試が人気となっています。
難易度は、やや高いレベル。
河合塾の全統模試よりは難しいですが、駿台全国模試に比べると比較的簡単です。
WEB上で細かい解説を確認できるため、模試の結果を今後に活かしやすいでしょう。
進研模試|ベネッセ
進研模試は、ベネッセグループが実施している模試です。
個人での申し込みができないので、主に学校などで受けることが多いでしょう。
難易度は、かなり易しいレベル。
これまでの中で最も易しいため、高得点・高偏差値を目指せます。
大学入学共通テストの受験者数とほぼ同じ人数の受験者がいますが、大学受験をしない人が受けていたり、既卒生が受けられなかったりするため、信頼度は低めです。
大学受験で受けるべき模試とは?|まとめ
いかがでしたか?
今回は、大学受験における模試の種類や、各予備校が実施する模試の特徴をご紹介しました。
各予備校の模試についてまとめると…
- 全統模試(河合塾)→受験者数最多。難易度も平均的なので、あらゆる人におすすめ。
- 駿台全国模試(駿台)→最難関模試。上位大学を狙う人におすすめ。
- 東進模試(東進)→本番レベルに限りなく近い模試。綿密な対策を練りたい人におすすめ。
- 進研模試(ベネッセ)→難易度はかなり易しめ。入試に慣れておきたい人におすすめ。
以上が各模試の特徴です!
気になる模試があるという方は、ぜひ各予備校に問い合わせてみてください♪