高校生になり今までの学生生活とは色々と違って分からないことが沢山あり、様々なことで「周りの人と自分はどう違うのか」「どう思い考えているのか」と気になる年齢でもあると思います。
勉強時間もその悩みの内の1つで、次の進路やステップアップに向けて「どのくらい勉強したほうが良いのか」「どのくらい勉強時間を確保したら良いのか」と頭を抱える高校生は少なくないでしょう。
そこで高校生の学年別の勉強時間や部活動や学校行事の合間を縫って勉強時間を確保する方法などについて詳しく解説していきます!
自分に必要な勉強時間を確保して目標達成を目指しましょう!
高校生のリアルな1日の勉強時間
高校生が塾や予備校・家庭教師を除いた家庭での勉強時間の調査をベネッセ教育総合研究所が実施しており、第5回学習基本調査で週に平均4.1日確保していることが明らかになっています。
この結果は9年前の調査結果に比べて1.1日増加しており、家庭で勉強する高校生は増加傾向にあります。
次に、1日にどれくらい勉強時間を確保しているのか調査した結果では、高校生全体の平均時間は1日84.4分となっており、「ほとんど勉強しない」という生徒は全体の約15%程です。
また、高校生の平日の勉強時間の2/3は宿題に当てられており、「学校の宿題や課題をして残った1/3の時間をどう使うか」や、「宿題や課題以外の勉強時間をどう増やすか」の工夫をすることで周りと差をつけるポイントになります。
学年別の理想の勉強時間
高校生に必要な勉強時間は一般的に学年+1時間と言われたりしますが、それだけでは不十分な場合もあるでしょう。
そのため、これから学年別の必要な平均勉強時間について解説します。
高校1年生
中学生の時と比べて生活や勉強が全く違う高校1年生は、学習内容以外にも心身ともに負担の多い時期のため、学校や部活動に慣れるまでは楽しさとしんどさが混ざり合いますが、家庭での勉強時間は確保しなければなりません。
1年生の間は、まず宿題を中心に平日1時間勉強に取り組むことを意識して生活のリズムや勉強の習慣を身につけ、休日2時間は平日で補えなかった復習に力を入れて取り組み、余力があれば発展問題や予習にチャレンジすると良いでしょう。
高校1年生で学ぶ内容は受験勉強の基礎となる部分になるため、「受験に向けて苦手科目を作らないように」「分からない箇所を残さない」ことを意識して学習し、特に受験科目の基盤になる英語や数学・理科基礎科目を中心に学習することをオススメします。
高校2年生
高校生活に慣れてきた2年生は、学校の内外で中心的な存在になることが多くなり勉強を疎かにしがちな時期ですが、受験を現実的に考え始める1年間でもあるため、1年生と同じ勉強時間では足りないのが現実です。
そのため、高校2年生は授業の復習や宿題に加えて基礎をしっかり固めることを意識して勉強することが大切で、平日は宿題と予習・復習を行う最低2時間確保し休日は平日の倍となる最低4時間を確保し、つまづいた単元や苦手な教科の対策を早めに講じることが大切です。
推薦合格を狙う場合は、調査書に部活動や学校活動・成績が詳細に記載されるため、内申点を取れるように勉強の時間配分に気をつけましょう。
高校2年生の段階で平日・休日ともに英単語や年表などの暗記やリスニングのような地道な対策が必要な内容は2年生のうちに対策しておくことで高校3年生になったときに受験勉強をスムーズに進めることができます。
高校3年生
高校3年生は春から夏休みにかけての前半と、夏休み明けから入試当日までの後半で必要な勉強時間の目安が違います。
受験を控える高校3年生は家庭学習も本格的な勉強モードにする必要があり、春から夏休みにかけての前半は平日でも4時間、休日は最低8時間の勉強が理想的ですが、平日にまとまった時間が取れない場合は朝の登校前に1時間勉強時間を設けたり、スキマ時間を使うなどをして効率よく取り組みましょう。
3年生から集中する時間が圧倒的に増えるため、これまでに勉強の習慣がついておらずしんどく感じないように、高校1年生から2年生のときに勉強慣れしておくことが大切です。
夏休みが明けるといよいよ入試に向けたラストスパートになり、学校以外の時間は全て勉強に充てるくらいの気持ちで1日10時間を目標に取り組み、秋からは大学入試共通テストや2次試験に向けて志望校の過去問を中心に解いていき、実践的な力を高めていくことに集中する必要があります。
ただし、1番していけないのが睡眠時間を削って深夜や早朝まで勉強することです。
入試が近づくにつれて焦りを感じて寝る間も惜しんで勉強する高校生が多くなりますが、睡眠時間をしっかり取らなければ記憶が定着しなかったり、集中力やパフォーマンスの低下にも繋がるため、1日6~8時間はしっかり休んで勉強時間を確保しましょう。
志望大学別の平均勉強時間
私立大学は受験科目が1科目~3科目の場合が多く、国公立大学より少ないためトータルの授業数が少ないですが、勉強時間が短くて良いわけではありません。
国公立大学と私立大学のそれぞれの平均勉強時間について述べていきます。
国公立大学の場合
国公立大学では大学入学共通テストを利用するため、私立大学に比べて入試科目が多くなります。
幅広い科目の勉強が必要になるため、国立大学合格者の多くは3,000時間以上を勉強に費やしており、東大などの最難関大学だと3,500時間を超える人もいるようです。
前述した高校3年生の1日の平均勉強時間を元に計算すると、高校3年生の1年間だけでは時間が足りないため、難関とされる国公立大学を目指す人は高校1年生や2年生の時から受験勉強を始める場合が多いことが分かります。
私立大学の場合
私立大学では、入試方法や大学入学共通テストを利用するか否かによって科目数が異なりますが、国公立大学に比べると科目数が少ない傾向にあります。
ただし、科目が少ないからといって勉強時間が少なくなるわけではないため、私立大学を受験する場合も国公立受験に劣らない勉強時間が必要です。
私立大学の入試問題はかなり深い知識が必要なものや小論文など独特の形式のもの、科目を分けず能力を問うものなど様々な種類がありますが、入試は各大学によって科目数だけでなく出題傾向も違ってくるため、一概に勉強時間を示すことはできませんが最低でも前述した勉強時間は必要です。
なお、国公立大学の滑り止めで私立大学を複数選ぶ場合は、あまりにも受験傾向が違う大学は避けて、第1志望の国公立大学の勉強の延長線上で解ける問題が多い大学を選ぶと無駄が無くなります。
勉強時間を増やすには
部活が秋頃まであり大学受験で必要な勉強時間を確保できない人も多いかもしれません。
ここからは勉強時間を増やす方法と、勉強する習慣を作る方法をご紹介します。
スキマ時間を有効活用
受験生にとってスキマ時間は貴重なため自分の生活を見直してスキマ時間を見つけ、有効活用してみましょう。
例えば、通学時間や休み時間などの生活の中にある10~15分程度のスキマ時間を上手く活用すれば、より多くの時間を受験勉強に使うことができ、また暗記事項や1問1答をラミネートしてお風呂で使うことや、トイレの壁に貼ればトイレの時間も勉強時間にできます。
時間割を作る
学校で時間割があるように、家庭で勉強する際も決まった時間に勉強をする習慣をつけることで、勉強に飽きないようにできます。
例えば、一般的に午前の方が脳は働きやすいと言われているため、午前中は数学や現代文などの考える力を必要とする科目が適しており、英語や日本史といった暗記が必要な科目は午後に回すことでムラのない勉強をすることが可能です。
しかし、脳が働きやすい時間帯は人によって異なるため、午前と午後のどちらが適しているのかを考えて、適切な時間帯に勉強するようにしましょう。
勉強時間が全てじゃない?!勉強をするうえで大切なこと
大学受験に必要な勉強時間を述べましたが、受験勉強において大切なのは勉強時間だけではなく、自己管理も重要です。
ここからは大学受験の勉強において大切なことをご紹介します。
スケジュールを組み計画的に
長い時間を費やして受験勉強をするからには、スケジュールを組んで計画的に勉強する習慣を身につけることが大切です。
どうすれば効率よく集中して勉強できるのかを1日のサイクルから考え、平日と休日それぞれに合った勉強サイクルを用意することが大切です。
自力で勉強のスケジュールを管理できないという人は、予備校や塾に通って勉強しなければならない時間を作ると良いでしょう。
休憩をちゃんとする
勉強する時間も大切ですが、休息の時間を取ることも同じくらい大切で、長時間頑張って勉強しても睡眠時間を削って体調を崩してしまっては、その後の勉強に影響が出てしまいます。
人間は基本的に長時間集中し続けることが難しいと言われており、勉強サイクルの中で25分ごとに5分休憩をとるなどの緩急をつけることで、集中する時間は集中しリラックスする時間はリラックスするなど集中力を持続できるような工夫が必要です。
また、受験期は想像よりも長いため長期的に良いパフォーマンスを維持できるよう睡眠時間を削らずに、睡眠時間は自分の体調に合わせた時間を適切に取るよう心がけましょう。
モチベーションを保つ
モチベーションが下がった状態では、どれだけ長い時間勉強しても思うような成果が得られません。
モチベーションを保つ方法として、「場所や環境を変える」「進捗を可視化する」「ご褒美を用意する」「カフェインを摂る」などがあり、どのようにすればモチベーションを高く保てるか自分に合う方法を考えてみましょう。
集中できる環境
ゲームやスマホ・タブレットなどの興味がそそられるものや、好きなものを身近に置いておくと気になって勉強が進みまず、特にスマホやタブレットに時間を費やしてしまうケースは多く、集中が削がれる主な要因と言えます。
スマホは見る時間を決めて、勉強中は機内モードに設定して通知が気にならないようにしたり、家族に預かってもらうなどの勉強の妨げになるものは意図的に遠ざける工夫をしましょう。
また、スマホとの付き合い方を合格者に聞いたアンケートでは、受験学年では1時間未満がほとんどで第1志望に合格した人はさらに短い傾向にあり、現役と既卒を比較しても現役合格者の方がより自分に厳しく制限していました。
質にも注目
受験勉強では勉強に費やした時間を気にする人が多いですが、実際は勉強にかけた時間ではなく勉強で身についた学力や知識が大学受験の合否に繋がります。
勉強は量も大切ですがそれよりも質の方が大切なため、様々な参考書を使って勉強するよりも、1冊の参考書を何度も繰り返して勉強する方が学習能力は高いと言われています。
受験勉強では、量をこなしても質が伴っていなければ成果は得られないため、勉強の質を意識して効率よく取り組みましょう。
高校生の平均勉強時間と勉強時間を増やす方法|まとめ
いかがだったでしょうか。
この記事では、高校生の勉強時間を学年別に紹介したり、勉強時間の見つけ方や勉強するときに気をつけたいことを紹介しました。
無理に勉強時間を増やしてしまい、体調を崩したり集中して取り組めなかったなど本末転倒にならないように睡眠時間はきちんと確保したり休憩をするなどオンとオフの切り替えもしながら質を意識して効率よく勉強に取り組みましょう。
また、高校1年生の時から目標を定めて計画を立てておくことで勉強する習慣を身につけることができ、長期間の勉強時間の確保ができます。
自分の目標に向かって、無駄なく生産性の高い学習に取り組みましょう!