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【徹底解説】河合塾の大学偏差値はどう決まる?ボーダー偏差値とは?

2023年11月10日 2024年04月02日

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四大予備校比較

進学を控えた高校生にとって、どの大学に進学するかはとても重要なことです。

大学を選ぶときの基準の1つとして「大学偏差値」がありますが、複数の予備校で大学偏差値を出しています。

中でも信頼度が高いとされているのが大手予備校河合塾が提供する大学偏差値で、多くの受験生が参考にしているのではないでしょうか。

本記事では偏差値の意味や河合塾が大学偏差値として採用しているボーダー偏差値の意味とその正確さについて掘り下げます。

偏差値とは

クリップと偏差値の吹き出し

受験に関する用語としてたびたび登場する偏差値ですが、いったいどのような意味の言葉なのでしょうか。

偏差値の意味や考え方・河合塾の大学偏差値で50とされる大学はどこなのかについて紹介します。

偏差値の意味

偏差値とは、特定の集団の中で自分がどのくらいの位置にいるかを示す数値のことです。

あるテストを受けたときに自分が上位にいるのか、真ん中くらいなのか、下位にいるのかをわかりやすく示すための数字と言い換えてもよいでしょう。

偏差値は以下の式で求められます。

偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10÷50

自分の得点がいくら高くても平均点が高くなれば偏差値は低くなってしまいますし、平均点が低ければ自分の得点が多少低くても偏差値が高く出ます。

ちなみに、標準偏差とは得点の偏りを示す数値のことで、全員が同じ点数なら0に、点数の差が大きければ大きいほど標準偏差の数値も大きくなります。

偏差値50は平均値

偏差値は得点の偏りを示す数字と説明しましたが、偏差値50は最も偏りが少ない数値、すなわち平均値となります。

得点に大きな偏りがない状態の場合、偏差値の目安は以下のとおりです。

偏差値70:上位2%
偏差値60:上位16%
偏差値50:上位50%(平均)
偏差値40:上位86%
偏差値30:上位97%

仮に、受験生が100人いるとすれば偏差値70で2位以内、偏差値60で16位以内、偏差値50で50位以内、偏差値40で86位以内、偏差値30で97位以内となります。

偏差値60がかなり上位であることがわかります。

河合塾の偏差値50の大学は?

大学受験の偏差値は大学ごとではなく学部・学科ごとで異なります。

今回は2022年度に受験者数が多かった法学部をとりあげ、河合塾が偏差値50としている大学を見てみましょう。

東日本では以下の大学の法学部が偏差値50とされていました。

・国士舘大学
・駒澤大学
・成城大学
・東洋大学
・日本大学
・武蔵野大学
・明治学院大学

いわゆる「日東駒専」の大学が名を連ねているのがわかります。

西日本も見てみましょう。

・愛知大学
・龍谷大学
・西南大学

偏差値47.5に京都産業大学、甲南大学があり偏差値52.5に近畿大学や大和大学があることから「産近甲龍」クラスの大学が該当するとわかります。

河合塾の大学偏差値はボーダー偏差値によって決まる

偏差値の一覧

偏差値はどの予備校でも同じかといえば、必ずしもそうではありません。

特に河合塾の場合は「ボーダー偏差値」という独特の仕組みを採用しているため、他の予備校の偏差値と異なる特徴を持っています。

ボーダー偏差値やBFの意味などについて見てみましょう。

ボーダー偏差値とは

河合塾では合格者と不合格者の割合がちょうど半分になる数値を基準に偏差値を出していて、この考え方をボーダー偏差値といいます。

ボーダー偏差値はその大学に受かるかどうかという合否の目安として考えられた数字だといえるでしょう。

ボーダー偏差値は2.5刻み

東進やベネッセの偏差値を見ると、1刻みで偏差値が設定されているのがわかります。

それに対し、河合塾は2.5刻みと少し大まかな偏差値設定となっているのに気付いたでしょうか。

設定が大まかなことで、多少の揺らぎがあっても範囲内に収まります

つまり、ボーダー偏差値は合否をあらわすといっても厳密なものではなく、ある程度の幅を持って考え、あくまで目安として考えるのが妥当です。

ボーダー偏差値は河合塾の予想難易度

ここまで見てわかったのは、河合塾のボーダー偏差値は大学そのものの学力を示すというよりも、各大学に合格するために必要な偏差値だということです。

ということは、ボーダー偏差値はあくまでも河合塾の「予想」する難易度だということです。

ただ、ボーダー偏差値の明確な決め方について河合塾は公表していません。

ボーダー偏差値の信用性については、後ほど詳しく解説します。

ボーダーフリー(BF)とは?

河合塾が公式サイトで公表している「入試難易予想ランキング表」のページを見ると、ボーダー偏差値について以下のような注釈がついています。

なお、ボーダーラインの設定基礎となる前年度入試結果調査データにおいて、不合格者数が少ないため合格率50%となる偏差値帯が存在せず、ボーダーラインが設定できなかった場合、ボーダー・フリー(BF)としています。
引用:河合塾

つまり、不合格者が少なかったため合否確率50%となるボーダーを設定できなかった大学をボーダーフリーというのです。

このことから、不合格者がほとんど出ない簡単な大学というイメージがついたのではないでしょうか。

ボーダー偏差値の正確性は高いけど、イレギュラーもある

勉強する学生

河合塾が一般的な偏差値ではなくボーダー偏差値を採用していることがわかりました。

しかし、ボーダー偏差値はどの程度信用してよいものなのでしょうか。

信頼性や上振れ・下振れリスク、イレギュラーが発生する場合などについて考えます。

模擬試験の受験人数が多く信頼性が高い

河合塾では前年度入試の結果や受験が行われる年度の全統模試の志望動向などを参考としてボーダー偏差値を設定しています。

ここで問題となるのは元になる全統模試の信頼性です。

全統模試は日本最大級の模擬試験で、大学進学を目指す受験生の大半が受験したことがある模擬試験といってよいでしょう。

2022年度を例にとると、全国でのべ272万1千人が受験している模試ですので信頼性がかなり高いといえます。

出典:河合塾

受験動向で上振れ・下振れの可能性あり

先ほど見たように、ボーダー偏差値は前年度の結果と全統模試の志望動向を参考にしています。

そのため、その年の受験動向によって倍率が変動すれば上振れしたり、下振れしたりするリスクが発生します。

たとえば、大学入学共通テストが難しい年に受験したとしましょう。

そうなると、多くの受験生が「冒険できない」と考えて模試で書いていた志望校よりも偏差値が低い大学に集まるかもしれません。

受験生が集まった大学の難易度が上がり、受験者数が減った上位大学に入りやすくなることもあるのです。

もちろん、その反対のことが起きることもあるでしょう。

ボーダー偏差値はその年の受験動向で変動する可能性があることを頭に入れておきましょう。

小論文や面接などがある大学はイレギュラーが発生しやすい

大学によっては一般的な学科試験ではなく、小論文や面接などを設けていることがあります。

そうなると、合否の基準がわかりにくいためボーダー偏差値の設定ができなくなります。

河合塾でも以下のように述べています。

ボーダーラインは一般入試を対象として設定しています。ただし、選考が実技や書類審査のみによって行われる大学や私立大学の2期・後期入試に該当するものは、ボーダーラインを設定していません。
引用:河合塾

こうした大学は配点次第でイレギュラーが発生しますので、学科試験で可能な限り高い点数を確保する必要があるでしょう。

河合塾の大学偏差値とは?|まとめ

今回は河合塾の大学偏差値について解説しました。

一般的な偏差値が大学そのものの学力をあらわすのに比べると、河合塾のボーダー偏差値が合否を重視していることがよくわかります。

元にしているデータが全国屈指の受験者数を誇る全統模試であるため、信頼性についてもかなり高いといえるでしょう。

ただし、大学入学共通テストの難易度や倍率変動、二次試験の科目によってはボーダー偏差値がぶれることがありますので、あくまで参考として考えるべき数字だといえます。

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