単語や公式を覚えるなど、勉強と言えばとにかくインプット!というイメージが強いですよね。
しかし近年では、多くの研究で学習におけるアウトプットの重要性が明らかになりつつあります。
そこでこの記事では勉強をする際のアウトプットの重要性や、インプットとの効率的なバランス、そしてオススメのアウトプット方法などを解説します。
記憶の定着や弱点の整理など、成績を飛躍的に伸ばすためのポイントがアウトプットには詰まっていますので、ぜひ最後までご覧下さい!
勉強におけるインプット・アウトプットとは
様々な領域で耳にするインプット・アウトプットという言葉ですが、勉強におけるインプット・アウトプットとはどのような行為を指すのでしょうか?
この項ではインプット・アウトプットについて基本的な概要をご紹介していきます。
勉強におけるインプットとは
インプットには本来「入力」という意味がありますが、勉強では「覚える」「新しく学ぶ」となり知識を蓄える行為のことを指します。
参考書を読んだり授業を受けて新しい知識を得ること、単語や公式を覚えるなどの行為は全てインプットと言えるでしょう。
日本の教育は詰め込み式と呼ばれるインプット重視の傾向が強かったですが、近年ではアクティブラーニングの導入や思考力を試す共通テスト改革など、単なる知識のインプットだけでない教育が目指されています。
勉強におけるアウトプットとは
アウトプットには本来「出力」という意味がありますが、勉強では「覚えたことを使って問題演習をする」「テストをする」となりインプットした知識を自発的・能動的に使うことを指します。
具体的には学んだ知識で問題を解いたり、それらを人に教えたりなどがアウトプットにあたる行為です。
詳細は後述しますが、大学入試や資格試験で高得点を目指す際にはこのアウトプットが不可欠となっており、近年注目度が増しています。
勉強におけるアウトプットの効果・メリットは?
身につけた知識を使って問題演習などに取り組むアウトプットですが、勉強に組み込むことでどのようなメリットがあるのでしょうか?
この項ではアウトプットが与える学習効果やメリットについてご紹介していきます。
メリット①|知識が記憶に定着しやすくなる
“定期的なテストや人に説明するなどのアウトプットで”知識の定着率が上がる”ことは様々な研究で示されています。
人間の脳はインプットしたことを全て覚えるわけではなく、必要性の高い情報を優先的に記憶していきます。
アウトプットの繰り返しにより「これは必要な情報である」と脳に意識させられるため、知識の定着率が上がるというメカニズムです。
また書き出した時の状況や、その時の感情などの外的要因がきっかけとなり思い出しやすくなるといったメリットもアウトプットには存在しています。
メリット②|知識を体系化しやすい
ノートにまとめたり単元ごとのテストを解いてアウトプットしていくことで、情報と情報の間に関連を見つけ、体系的に学ぶことが可能です。
点ではなく線として知識を捉えることで、より深い理解に繋がります。
また記述式や思考力が求められる問題など、一問一答以外の問題の対策にもなります。
メリット③|分からないことや弱点が明確に
テスト形式やまとめ作業などのアウトプットでは、何を分かっていて・どこにつまづいているのかが明確になります。
自分の理解度を見える化することで、勉強時間を効率的に配分できるようになります。
メリット④|自信につながる
アウトプット学習を取り入れることで、その日取り組んだ内容や自分の成長が形に残るため、自信につながります。
勉強に対する自信はそのままモチベーションへとつながりますので、さらにインプット・アウトプットを加速していく好循環を生むことができます。
メリット⑤|備忘録代わりになる
時間が過ぎていくとともにスマホやテレビから得られる情報量は膨大になっていますが、1日の終わりには記憶に残っていることはごくわずかです。
これはインプットに偏り、アウトプットをしていないからであり、記憶に残したいことはメモを残したり手帳に一言書いたりSNSでつぶやくなどをすることで、あとから読み返したときの備忘録として使うことができます。
またSNSでつぶやくなどの方法を採用すれば、他人に見られる可能性があるため、見られてもいい文章を書こうと意識が高まり、記憶に残りやすくなるでしょう。
勉強でのインプットとアウトプットのバランス
さてここまでアウトプットの重要性を指摘しましたが、インプットが無くてはアウトプットすることはできません。
それではアウトプットとインプットはどれくらいの割合で勉強に取り入れればよいのでしょうか?
この項では、時期や学力別のアウトプット・インプットのバランスについてご紹介していきます。
基本はインプット6割、アウトプット4割
インプットとアウトプットのバランスですが、習いたての単元や分野は基本的な知識をしっかり覚えるためにインプット6割、アウトプット4割を基本とし、インプットを多めに取り入れるのがオススメでします。
いくらアウトプットが重要であると言っても、勉強の基本はインプットです。
始めのうちは、アウトプットの土台となるための知識を頭に入れる時間を優先していきましょう。
慣れてくればインプット3割、アウトプット7割
教科書や参考書を一通りインプットした後は、インプット3割/アウトプット7割のバランスで発展的な問題を解くために応用力を身につけていきましょう。
基本的な知識は既にある程度頭に入っているため、知識の使い方や、アウトプットを利用した弱点の発見に力を入れると効果的です。
インプットの3割はアウトプットの際に間違った箇所の復習や、苦手単元の強化に充てるのがオススメです。
入試やテスト本番の前はインプット1割、アウトプット9割
テスト直前となった段階では、ほとんどの勉強時間を問題演習などのアウトプットに費やすインプット1割/アウトプット9割のバランスがオススメです。
間違えた問題(とその周辺知識)の復習がインプットの1割となります。
また復習の際に間違えた内容をまとめておくことで、自分が間違えやすい箇所だけが詰まったオリジナルのテキストとして試験前に見返すことができるためオススメです。
効果的なアウトプットの方法
ここまでアウトプットの有益性についてご紹介してきましたが、一口にアウトプットと言ってもその方法は様々です。
そこでここからは、効果的なアウトプットの方法について具体的にご紹介していきます。
文章を読み問題を解く
基本的な勉強方法ですが、大きなテストや試験のためにたくさん内容を覚えるのではなく、こまめに覚えたことを確認することで知識が定着しやすくなります。
覚えた部分の小テストや問題集を何度も解いたり、テキストの重要な部分を隠して何度も読むのはとても効果的です。
紙に書く
参考書などで学んだ内容を自分の言葉に置き換えてノートを作ることで、しっかり内容を読み込む癖がつくほか、記憶の定着率も向上させることができます。
また学んだ内容を図や絵に書き起こしてみたり自分で問題を作ってみるのも効果的な方法です。
声に出して説明する
1度インプットしたことを家族や友達に向けて声に出して説明すると、覚えた内容が整理され、記憶の定着がさらに強化されます。
また誰かに説明し質問を受けることでその時は答えることができなくても、そこでの気付きや後から調べることで理解が深まり記憶に残りやすくなります。
加えて、声に出し耳で聞くことで脳のいろいろな部位を活発に使うことになり、記憶に留まりやすくなる効果も期待できるでしょう。
勉強におけるインプットと効果的なアウトプットの方法について|まとめ
今回は勉強におけるアウトプットの重要性や効果的なアウトプットの方法などを解説しました。
暗記などインプットに力を入れがちな勉強ですが、実はアウトプットも記憶の定着や、理解の深化に重要な機能を果たしています。
今回ご紹介したようにアウトプットの方法は様々ですが、テストで間違えた箇所を紙に書く・声に出して説明するなど、組み合わせることでさらに効果を発揮しますのでぜひお試しください。
積極的にアウトプットをとりいれて、知識を蓄え学力を伸ばしていきましょう!