大学受験を見据えて、そろそろ予備校選びを始めようと考えている高校2年生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
できるだけ学費を抑えて質の高い授業を受けたいと考える方は、各予備校の割引制度や特待生制度の種類もぜひチェックしておきたいところです。
割引の種類や学費免除の条件は予備校によってさまざまなので、あらかじめ比較しておくと安心です。
今回は、東進・河合塾・駿台・武田塾の4校に注目し、それぞれの制度の種類や内容をわかりやすくご紹介します。
受験生のための予備校選びのポイントと学費の抑え方
大学受験を控えた高校生にとって、予備校選びは非常に重要なステップで、質の高い授業やサポートを受けることができる予備校は受験勉強において大きな力となります。
しかし、予備校の学費は決して安くはないため、学費の負担を感じる受験生も多いです。
いかにして費用を抑えながら効率的に学びを進められるかが大きな課題ですが、そこで注目したいのが、予備校が提供している「割引制度」や「特待生制度」です。
早期申し込み割引や、成績優秀者を対象とした特待生制度などを上手に活用することで、学費の軽減することができます。
予備校選びの際には、こうした制度の種類や内容をしっかり確認し、経済的な負担をできるだけ軽減するようにしましょう。
予備校の割引制度
予備校には家庭環境や学力、申込タイミングなどに応じて利用できるさまざまな種類の割引制度が用意されています。
これらの制度を事前に理解し、条件に合ったものを上手に活用することで、入塾時の経済的負担を大きく抑えることが可能です。
ここでは、予備校の割引制度の種類について詳しく解説していきます。
割引制度①:兄弟割引
兄弟や姉妹が同じ予備校に在籍しているもしくは、通っていた場合に適用されるのが、兄弟割引制度です。
この制度を利用することで、授業料金の一部が割引され、家庭の経済的な負担を軽減することができます。
特にご兄弟が多い家庭や、複数の子どもを同時に通わせる家庭にとっては、継続的な出費を抑える手助けとなります。
割引制度②:成績優秀者割引
成績優秀者割引は、入塾時の模試や学力テストで優れた結果を出した生徒に対して適用される制度です。
学力に自信のある生徒にとっては、通常よりも安い学費で授業を受けられるチャンスとなり、自らの努力や成果が経済的メリットとして還元される点で、大きな励みになるでしょう。
割引制度③:早期申し込み割引
早期申込割引は、定められた期間より前に予備校へ申し込むことで適用される割引制度です。
入塾を早めに決めることで、学費が割引されるだけでなく、受験準備を計画的に進めることができます。
スタートを早めることで、学習スケジュールに余裕が生まれ、精神的な負担も軽くなります。
予備校の特待生制度
特待生制度は、予備校で優れた成績を収めた生徒に与えられる特典で、学費が軽減されるだけでなく、さまざまな教育的な恩恵を受けることができます。
入試免除や授業料全額免除、一部授業料免除など、特待生として認定されることで受験準備に集中でき、さらに学業成績を向上させるためのモチベーションを高めることができます。
こちらでは予備校の特待生制度について詳しく解説していきます。
特待制度①:入試免除
予備校の中にはに入塾テストを設けている教室もありますが、特待生に認定されると、予備校独自の入試が免除されることがあります。
これにより、受験生は試験の準備にかける時間やエネルギーを削減でき、他の学習に集中することが可能です。
また、試験に合格するためのプレッシャーが軽減され、余裕を持って授業に参加できるため学習の質も向上します。
入試免除は特待生に対してその実力を認めた証でもあり、非常に有利な特典です。
特待制度②:授業料全額免除
特待生制度の中には、授業料が全額免除されるケースもあります。
これは、予備校が特に優秀な生徒に向けて提供する、最も魅力的な特典のひとつです。
授業料の負担が完全に免除されるため経済的に大きな助けとなり、学費の心配なく学業に専念することが可能です。
特待生として全額免除を受けることで学業に対するモチベーションが一層高まり、さらに成績向上を目指すことができます。
特待制度:一部授業料免除
一部授業料免除は、全額免除ほどではありませんが、授業料の一部が軽減される制度です。
この制度を利用することで、学費負担が軽くなり、家庭にとっては大きな助けになります。
また、一部免除を受けることで特待生としての自信が付いて、勉強への意欲向上も期待されます。
経済的な負担が軽減されるだけでなく、自己の学力向上に向けたモチベーションアップにも寄与する制度です。
東進ハイスクールの割引制度・特待生制度
東進ハイスクールは、映像授業を中心とした独自の学習システムで全国の受験生から高い支持を集めている予備校です。
学力や目的に応じた多様なカリキュラムに加え、学費負担を軽減できる割引制度や成績優秀者向けの特待生制度も整備されており、経済的・学習面の両方で受験生をサポートしています。
東進ハイスクールの割引制度
経済的な負担を軽減するために複数の種類の割引制度が用意されています。
たとえば、兄弟姉妹で同時に入塾する場合や、特定のキャンペーン期間中に申し込むことで入学金の一部が割引される制度があります。
また、受講する講座数(ユニット数)に応じて授業料が割引される「ユニット割引」もあり、多くの講座を受けたい生徒にとってメリットのある仕組みです。
- 入学金割引制度:キャンペーンや兄弟での入塾で割引。
- ユニット割引:受講するユニット数に応じて割引。
東進ハイスクールの特待生制度
学力に優れた生徒を支援するための特待生制度が複数用意されています。
特待生として認定されると、授業料の一部または全額が免除される制度があり、成績や模試の結果に応じて選抜されるのが特徴です。
たとえば、難関大学を目指す意欲的な生徒向けの「スーパーエリートコース」や、数学に強みを持つ生徒を対象とした特別枠などが設けられており、自分の得意分野を活かした選抜に臨むことができます。
- 東進スーパーエリートコース:選抜試験で選ばれた生徒のみ参加できる特別クラス。
- 東進数学特待制度:統一テストや学校での評価で優秀な場合に参加できるクラス。
- 東大特進クラス:模試の東大判定により参加できる、東大合格を目指すためのクラス。
- 東進衛星予備校の特待制度:校舎ごとに異なる特待制度。(要問い合わせ)
東進ハイスクールの特待生制度のメリットや注意点
東進ハイスクールの特待生制度の最大のメリットは、授業料の全額または一部が免除される点にあり、経済的負担を軽減しながら質の高い学習環境を手に入れることができます。
映像授業を中心とした柔軟な学習スタイルと相まって、自分のペースで効率よく学べるため、意欲ある生徒には非常に魅力的な制度です。
一方で、特待生として認定されるためには高い学力水準が求められ、制度によっては継続条件(成績の維持など)が課される場合もあるため注意が必要です。
また、校舎ごとに制度の種類や募集枠が異なるため、事前に個別相談や説明会を通じて最新情報を確認しましょう。
河合塾の割引制度・特待生制度
河合塾は、長年の実績と信頼を誇る大手予備校として、多くの受験生から支持を集めています。
個別の学力や目的に応じたコース編成に加え、模試や進路指導も充実しており、生徒一人ひとりに合った学習環境が整っているのが大きな魅力です。
河合塾の割引制度
河合塾では、経済的な負担を軽減するために複数の種類の割引制度を用意しています。
たとえば、過去に河合塾の模試を受験したり、体験授業や入塾説明会などのイベントに参加した方を対象に、入塾金が半額(5万円)に減額される制度があります。
さらに、インターネットを通じて入塾申し込みを行った場合にも同様の割引が適用されます。
また、兄弟姉妹が河合塾のコースに在籍していた実績がある場合には、入塾金の一部(1万円)が免除される制度もあり、家族で利用する家庭にとっては大きな支援となります。
- 入塾金半額免除(50,000円):
①2024・2025年度において、講習受講生、河合塾実施の模試受験生、入塾説明会・特設会場や体験授業などのイベントに参加。
②インターネットから申し込み。 - 兄弟姉妹割引(入塾金10,000円免除):
本人の兄弟や姉妹が、2018~2025年度に河合塾に在籍していた場合。
河合塾の特待生制度
学力面で優れた生徒を対象に、授業料を一部または全額免除する「特別奨学生制度」を設けています。
この制度は、単に入塾時の成績だけでなく模試の結果や学習姿勢などを総合的に評価して選抜される点が特徴です。
選ばれた生徒には、学習環境や進路指導面での優遇措置も与えられることがあり、より高い目標を目指す後押しとなります。
- 特別奨学生選考試験:河合塾が実施する選考試験で、合格すると授業料の一部が免除される。
- スカラシップ制度:入塾後の成績が優秀、授業態度が模範的である生徒に奨学金が支給される制度。
- 自然災害特別処置:自然災害によって被害を受けた生徒に対して、経済的支援として入塾金免除や授業料減免などの処置を受けることができる。
- 河合塾wings:中高生を対象に入塾金免除や授業料減免の特別処置を受けることができる。
河合塾の特待生制度のメリットや注意点
河合塾の特待生の最大のメリットは、長年にわたる受験指導のノウハウを活かした質の高いカリキュラムと、経験豊富な講師陣による指導体制です。
個別サポートや進路相談も充実しており、生徒一人ひとりの学習状況に応じたフォローが受けられる点も魅力です。
さらに、模試や講習を活用することで、自分の現在の学力や志望校との距離を客観的に把握しやすくなり、より戦略的な学習につなげることができます。
入塾前には希望する校舎の特徴をしっかりと確認するようにしましょう。
駿台予備学校の割引制度・特待生制度
駿台予備学校では、難関大学合格を目指す受験生を支えるために質の高い授業と綿密な学習指導体制を整えており、特に医学部や東大・京大を志望する生徒から高い信頼を得ています。
さらに、経済的支援を必要とする家庭にも配慮し、授業料の減額や入学金の免除など複数の種類の制度を通じて負担を軽減できる環境が整っています。
駿台予備学校の割引制度
駿台予備学校では、受講生の学費負担を軽減するため、さまざまな割引制度を提供しています。
経済支援奨学制度は授業料から最大30万円が減額され、経済的に困難な状況にある生徒にとって大きな助けとなるでしょう。
また、2024年度高3生クラス・高卒クラス在籍生学費優遇制度では、入学金が全額免除されるだけでなく授業料が10万円減額される特典があり、早期に入学を決めた生徒をサポートしてくれます。
その他にも、被災者特別支援制度や国の教育ローン利息相当額補助制度により、より多くの受験生が安心して学び続けることが可能です。
- 経済支援奨学制度:生計維持者の2024年所得金額が373万円以下だった場合に授業料から30万円を減額。
- 2024年度高3生クラス・高卒クラス在籍生 学費優遇制度:入学金全額免除に加え、授業料10万円減額。
- 被災者特別支援制度:災害救助法が適用されている地域に在住の場合で、所定の申請書、被災証明、罹災証明、または、緊急採用奨学金受給を証明する書類を提出。
- 国の教育ローン利息相当額補助制度:「国の教育ローン」を利用して入塾予定の場合、ローンの利息相当額を上限8万円以内で補助。
駿台予備学校の特待生制度
成績優秀者を対象に授業料の減額が適用されることがあり、特に優れた成績を収めた生徒には、授業料全額または一部の免除が行われます。
特待生制度を活用することで、学費負担を軽減し、学業に専念できる環境が整えられるため、受験生にとって大きなサポートとなるでしょう。
- スカラシップ制度:模試で優秀な成績を修めた生徒に入学金や授業料の一部が免除される。
- 高校生向けの入学支援制度:高校生で所得で一定基準以下の場合に授業減免される制度。
駿台予備学校の特待生制度のメリットや注意点
駿台の予備学校の特待生制度は、学費負担を軽減するだけでなく、成績や経済的状況に応じた柔軟な対応が可能です。
複数の支援制度を併用することで最大30万円の授業料減額が実現するため、経済的に困難な家庭にとって大きな助けとなります。
また、入学金の免除や授業料減額など、早期に申し込むことで多くの特典を受けることができます。
武田塾の割引制度・特待生制度
武田塾は「授業をしない塾」として独自の指導方法を採用し、このスタイルでは自学自習の習慣をつけることで効率的な学習をサポートしています。
学費の負担軽減には、兄弟割引やまとめ払い割引など、柔軟な支払い方法による割引制度が提供されており、経済的な負担を軽減することが可能です。
武田塾の割引制度
武田塾では、学費の軽減を目的としたいくつかの割引制度を提供しています。
兄弟割引は、同じ時期に兄弟で入塾することにより割引が適用される制度です。
この制度を利用することで、家計の負担を軽減し、兄弟姉妹が同時に予備校で学ぶことが可能になります。
また、まとめ払い割引では、授業料を一括で支払うことにより割引を受けることができます。
- 兄弟割引:兄弟で一緒に入塾することによって割引。
- まとめ払い割引:授業料のまとめ払いによって割引。
武田塾の特待生制度
特待生制度に関する公式な情報は確認できませんでした。
武田塾は様々な生徒の目的や現在の学力に合わせた学習カリキュラムを提供している塾のため、秀でているから特待生というような制度は設けていません。
逆転合格を目指したい生徒さん、更なる上を目指したい生徒さんなど、幅広いニーズに応えた指導を行っています。
武田塾の特待生制度のメリットや注意点
柔軟な割引制度があるため、経済的な負担を軽減しやすい点がメリットです。
注意点としては、特待生制度が公式には存在していないため、学費の割引に関しては兄弟割やまとめ払い割引が主なようです。
4校の予備校制度比較
東進ハイスクール・河合塾・駿台予備学校・武田塾の4校は、それぞれ異なる特徴を持つ割引制度や特待生制度を用意しています。
東進ハイスクールは講習無料制度や中高生向けの特待制度が充実しており、映像授業を活用した先取り学習が強みです。
河合塾は、模試や講習の受講歴などを活かした入塾金免除制度に加え、成績優秀者や経済的支援を必要とする生徒向けの制度も整っています。
駿台予備学校では、入塾金免除や成績優秀者向けの授業料免除制度があり、難関大志望者にとって魅力的な支援内容が揃っています。
武田塾は、独自の「授業をしない」指導方針のもと、入会金割引や支払い方法による割引など柔軟な種類の制度が特徴です。
これらの制度は、それぞれの予備校の方針や対象となる生徒層によって内容が異なりますので、自分の学力や家庭の状況に合った種類の制度を選びましょう。
受験生必見!大手予備校4校の割引・特待制度|まとめ
予備校は受験生にとって大きな力となる存在ですが、その一方で学費の負担も無視できません。
だからこそ、各予備校が用意している割引制度や特待生制度を上手に活用することが大切です。
本記事でご紹介した東進ハイスクール・河合塾・駿台予備学校・武田塾のように、予備校ごとに制度の種類や条件は異なります。
比較検討し、自分に合った制度を見つけることで、学費を抑えながら質の高い学習環境を手に入れることが可能です。
入塾前にしっかりと情報を調べ、面談などで制度の詳細を確認することで、後悔のない予備校選びに繋がります。
志望校合格という目標に向けて、無理なく、効率的に学習を進めていきましょう。