受験生にとって勉強と同じくらい大切なのが睡眠時間です。
昔は「4当5落」という言葉がよく使われ、睡眠時間が4時間なら合格、5時間以上なら落ちると言われていました。
しかし現在の研究で、睡眠時間をしっかりとることは記憶を定着させやすくし、日中のパフォーマンスにも良い影響を与えることが分かっています。
この記事では、受験生にとって理想の睡眠時間をご紹介するとともに、睡眠時間が足りない時に起こることや、質の良い睡眠をとるためにおすすめの方法などをご紹介していくので、ぜひ受験勉強の参考にしてみてください!
受験生の理想の睡眠時間は約7時間半
受験生の理想の睡眠時間は約7時間半前後です。
甲南大学の前田多章准教授は、約7時間前後の睡眠をとると学習した内容が記憶に定着しやすく、効率的に勉強を進められると説明していました。
受験生の中には勉強時間を増やすために徹夜で勉強する方もいるかもしれませんが、徹夜で勉強したことは2~4日後には頭から抜け落ちてしまいます。
勉強した内容をしっかり記憶させるためには、睡眠時間をしっかりとることが必要不可欠です。
なぜ理想の睡眠時間が7時間半なのか?
睡眠には脳を休ませるノンレム睡眠と体を休ませるレム睡眠があり、この2種類の睡眠が記憶の定着に密接に関わってきます。
人は睡眠時にノンレム睡眠とレム睡眠を約90~120分の周期で繰り返し、そのサイクルによってその日に学んだことや経験したことを記憶に定着させるのです。
また、睡眠のサイクルは多すぎても健康に良くないとされており、理想は4~5回となっています。
ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを1セット90分とした場合、5回だと7時間半なので、理想の睡眠時間は約7時間半前後だと言われています。
受験生が睡眠時間をしっかりとるメリット
受験生が睡眠時間をしっかりとるメリットは大きく、受験の結果に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
ここから受験生が睡眠時間をしっかりとるメリットを3つご紹介していくので、志望校合格を目指す方はぜひご自身の受験勉強に活かしてみてください。
受験生が睡眠時間をしっかりとるメリット3つ
- 睡眠時間をしっかりとると学習内容が定着しやすい
- 睡眠時間をしっかりとると学習効率が良くなる
- 睡眠時間をしっかりとると健康にもいい
①睡眠時間をしっかりとると学習内容が定着しやすい
前述の通り、人間の脳は睡眠中に記憶が整理され定着するシステムになっています。
しっかり睡眠時間をとることで、その日に学んだことが頭の中で整理され、より深く記憶に残ります。
睡眠時間をしっかりとることで、学習内容が定着しやすくなり学んだことを覚えなおす回数も少なくなるでしょう。
②睡眠時間をしっかりとると学習効率が良くなる
睡眠時間をしっかりとることで、勉強する時に集中しやすくなり学習効率が上がります。
頭がスッキリとした状態で問題に取り組めるので、ケアレスミス予防になるのも嬉しいポイントです。
解説もより理解しやすくなるので、どんどん次の単元に進んでいけるでしょう。
③睡眠時間をしっかりとると健康にもいい
睡眠時間をしっかりとることは、健康の面から見てもとても重要です。
睡眠は先述の通り記憶を整理・定着させる働きがありますが、体や心を休める働きもあります。
入試に万全の状態で臨むのはもちろん、日々の受験勉強も健康な心身がないと続けられないので、睡眠時間をしっかりとることはとても重要です。
睡眠時間を確保しないことは受験生にとって悪影響
睡眠時間をしっかりとらないと、集中力の低下やメンタルが不安定になるなど、受験生にとって悪影響なことが起こります。
ここからは、睡眠時間を確保しないことで受験生に起こる悪影響なことを2つご紹介していきます。
睡眠時間を確保しないことで受験生に起こる悪影響2つ
- 集中力が落ちる
- 体力・精神力が不安定になる
①集中力が落ちる
睡眠時間が足りないと集中力が落ちて、勉強の効率も下がってしまうので気をつけなくてはなりません。
もしも入試当日に睡眠時間が足りていないと、集中力や注意力が散漫になって取れる点数も取れなくなってしまう可能性もあります。
②体力・精神力が不安定になる
睡眠時間が足りていないと体力が落ちたり精神力が不安定になる恐れがあります。
入試は2~3日かけて長丁場で行われることがほとんどなので、長く苦しい期間を集中してやりきるための体力は必要不可欠です。
また、メンタルが不安定だと、入試期間よりも圧倒的に長い受験勉期間を乗り越えることができません。
睡眠時間だけでなく受験生には睡眠の質も大切!
ここまで受験生にとって睡眠時間をしっかり取ることはとても重要だということをご説明してきましたが、実際に睡眠時間を毎日しっかりとるのは難しいですよね。
特に入試の本番が近近づくと、プレッシャーや不安でなかなか寝つけないという方も多いのではないでしょうか。
良いパフォーマンスを発揮するためには、睡眠時間だけなく質の良い睡眠をとることも大切です。
ここからは、質の良い睡眠をとるためのおすすめの方法3つをご紹介していくのでぜひ参考にしてみてください。
質の良い睡眠をとるためのおすすめの方法3つ
- 寝る90分前からスマホやパソコンを使わない
- 昼寝をする
- 朝日を浴びる
①寝る90分前からスマホやパソコンを使わない
スマホやパソコンの画面の光はブルーライトとも呼ばれ、脳を刺激し目を覚ましてしまう効果があります。
睡眠の約90分前からはスマホやパソコンを使わずに、脳をリラックスさせる状態にしておきましょう。
軽いストレッチや読書は体や心をほぐす効果があるのでおすすめです。
②昼寝をする
日中、約15分前後昼寝をすることも、寝つきが良くなる原因です。
昼寝をすることで体の中の睡眠リズムが整えられ、夕方以降に居眠りすることがなくなり、結果的に寝つきがよくなります。
ただし、昼寝の時間を取りすぎると逆効果で寝つきが悪くなってしまうので注意が必要です。
③朝日を浴びる
朝日を浴びることもおすすめの方法です。
朝起きて太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜になると自然と眠たくなります。
また、自律神経が整う効果もあり、日中は交感神経が優位になるので勉強にも集中して取り組めるなどのメリットもあります。
受験生の理想の生活・睡眠サイクル
東京大学や早慶上智など難関大学の合格者を毎年輩出してる武田塾の講師が、「武田塾チャンネル」という動画で受験生の生活・睡眠サイクルについて語っていたのでご紹介します。
武田塾の山火先生は、学校の図書館などで夜の20~21時まで勉強し、21~22時ごろ睡眠をとって朝の3~4時ごろ起床して勉強するサイクルをおすすめしていました。
前述の通り、武田塾は難関大学の合格実績を持っている学習塾なので、志望校合格を目指している受験生の方は試してみてはいかがでしょうか?
もしも崩れてしまった場合は?
生活・睡眠サイクルは1日だけでなく、継続することが大切です。
ただし、長い受験期間の中で同じ生活・睡眠サイクルを続けるのは難しく、何かの拍子にサイクルが崩れてしまったということもあると思います。
もしも生活・睡眠サイクルが崩れてしまった場合は、休日などを利用してサイクルを元に戻しましょう。
まとめ|受験生にとって睡眠時間は必要?
受験生にとって理想の睡眠時間は約7時半間前後です。
しっかり睡眠時間をとることで、記憶が定着しやすくなり、日中も集中して勉強に取り組むことができます。
睡眠時間を確保しないと、集中力・注意力が散漫になってケアレスミスを多発したり、メンタルが不安定になってしまう恐れがあるので、日ごろから正しい生活・睡眠リズムで睡眠時間をしっかりと確保するようにしておきましょう。
武田塾の山火先生は、夜の夜の20~21時まで勉強し、21~22時ごろ睡眠をとって朝の3~4時ごろ起床し勉強するサイクルをおすすめしていたので、受験生の方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。