受験期は、目標達成に向けて集中力を高める大切な時期である一方、勉強と生活のバランスが崩れやすく、心も体も負担を感じやすい時期でもあります。
成績への不安、迫る試験日に対しての焦りなどは誰にでも起こる自然な反応であり、大切なのは、これらのストレスと上手く付き合っていくことです。
本記事では、ストレスが生まれる原因から具体的な解消法までを解説していきますので、受験生の方はぜひ参考にしてみてください。
受験ストレスが生まれる主な原因
受験期のストレスは、成績への圧力、周囲との比較、生活リズムの乱れなどが重なって生まれます。
ここでは、受験ストレスが生まれやすい主な原因を3つの視点から見ていきますので、原因を分けて捉え、余計な不安を減らしていきましょう。
成績プレッシャーと自己肯定感の低下
模試や定期テストの数字は目に残りやすく、短い期間の上下に気持ちが振り回されることがあります。
そんなときは「今日は何をどこまでやるか」を小さく決め、達成できた事実を少しずつ積み重ねることを意識します。
数字だけで自分を評価せず、学習の過程を丁寧に見るほど、自己肯定感はゆっくり安定します。
周囲からの期待と比較による心理的負担
家族からの期待の言葉は、励ましのつもりでも受験生にとってプレッシャーに感じられることがあります。
また、友人との成績比較や志望校の話題が増えると、「自分が遅れているのではないか」と不安を抱きやすくなります。
こうした言葉を真に受けていると、気づかないうちに心が折れてしまうことがありますので、友人の進捗や大人の言葉は参考にしつつ距離を置くようにしましょう。
生活リズムの乱れや長時間勉強による疲労
受験期は勉強時間を優先するあまり、睡眠不足や食生活の乱れが起きやすくなります。
寝る時間が遅くなって体に疲労が溜まったり、栄養不足が起きると、集中力が低下してストレスへの耐性も低くなります。
連続して座り続けるより、区切りを決めて短い休憩を挟むほうが、結果として進みが良くなることが多いです。
一日の始めに休憩も予定に入れておき、終わりには軽いクールダウンを置くなど、回復の時間を先に確保すると安定するでしょう。
受験ストレスによって起こる問題
ストレスが蓄積されると、注意が散りやすくなり、覚えたことを取り出しにくくなったり、意欲の低下を引き起こすことがあります。
こうした不調を放っておくと、勉強の効率が下がるだけでなく、メンタル面にも悪影響を及ぼすため、早めの対策が大切です。
集中力や記憶力の低下
強いプレッシャーを感じていると、脳がストレス状態になり、集中力や記憶力が低下しやすくなります。
覚えたはずの単語が思い出せなくなったり、机に向かっても勉強が手に付かないなどの現象は、ストレスによる一時的な脳の疲労が原因となっている可能性があります。
適度な休憩やリラックスする時間を取ることが、学習効率を保つために欠かせません。
睡眠障害や食欲不振などの身体的不調
受験に対する不安や焦りから、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなる人も少なくないでしょう。
また、緊張している状態が続くと自律神経が乱れるため、食欲が落ちたり胃に不調を感じることもあります。
こういった状態が続くと体力や免疫力が低下し、病気にかかりやすくなったり体調を壊しやすくなるため、規則正しい生活を意識して十分な睡眠と栄養を摂ることが重要です。
無気力・自己否定といったメンタルの悪化
思ったように成績が伸びなかったり周囲の期待に応えられていないと感じると、自己否定に陥ることがあります。
このような心境になると、勉強のやる気が起きないだけでなく、何をしても楽しくないといった無気力状態につながる可能性があります。
こうしたサインが見られた時には頑張りすぎているサインだと考え、人に相談する・リフレッシュするといった行動を起こしましょう。
受験ストレスを軽減するための具体的な解消法
受験のストレスを完全になくすことは難しいですが、上手にコントロールして付き合っていくことで、心身への負担を最小限にすることができます。
ここでは、日々の勉強や生活の中で実践しやすい3つの解消法を紹介していきますので、無理のない方法を取り入れることで、心のバランスを整えていきましょう。
学習計画の見直しと目標の設定
受験期のストレスは、思うように勉強が進まないことへの焦りや不安が原因となっていることが多いです。
そこでまずは学習計画を見直し、目標を設定してから学習に取り組むことで、達成感も得やすくなります。
1日単位で細かく計画を立てるよりも、一週間の見通しをざっくり作り、毎日の入口を具体化していくのがおすすめです。
終わりには「今日の気づき」を一言残し、次につなげることで、自己評価が穏やかに保たれるでしょう。
リフレッシュ習慣の導入
長時間勉強を続けていると、知らず知らずのうちに心と体が疲れてしまいますので、勉強の合間に適度なリフレッシュを行うようにしましょう。
10〜20分の散歩やストレッチは、頭の切り替えにちょうどよい長さです。
勉強の区切りに、湯飲みを洗う、机を拭くなどの小さな家事を入れると、再開のきっかけになります。
夜はぬるめの入浴や軽い読書で落ち着かせ、眠りにつながる合図を体に覚えさせます。
誰かに相談することで心の負担を下げる
友人や家族、先生に話すだけでも、心の負担が下がるだけでなく、頭の中が整い、次の行動を選びやすくなります。
自分が今悩んでいることや、環境を正直に信頼できる相手に伝えると、相手も助けやすくなります。
定期的に声をかけ合う約束を作っておくと、先延ばしに気づける仕組みになり、1人で抱え込まずに済みます。
ストレスと上手く付き合うマインドセット
ストレスをなくすことだけを目指すのではなく、距離の取り方を身につけると、日々が軽くなります。
うまくいかない日があっても、学びの流れが止まらないように、やり方を少し調整していきます。
完璧主義になりすぎない
すべてを完璧にしようとすると、かえって手が止まってしまうことがあります。
今の自分に合う量と難易度に合わせ、「今日はここまでで良い」と認める視点を持つことで、学習を続けやすくなります。
優先順位を週ごとに見直せば、必要なところに力を集中できます。
失敗経験を成長の材料と考える
受験勉強をしていくうえでは、模試でケアレスミスをしてしまったり、失敗を経験をすることも多いでしょう。
しかし、テストや模試での失敗は、本番の試験に向けて次に取り組む順番を教えてくれるサインだと考えることが大切です。
「何が足りなかったのか」「次にどう改善できるか」を考えることで、失敗を着実に成長につなげることができます。
見直しでは、知識の不足・読み取り・手順・時間配分のどこでつまずいたかを軽く分類して、同じタイプの問題に再挑戦してみると、前回より進んでいることに気づけるでしょう。
他人と比較しないこと
SNSや周囲の友人と比べて焦りを感じることもあるかもしれませんが、学習のペースやテストの点数が伸びるタイミングは人それぞれです。
他人と比較するよりも、「昨日の自分より前進できているか」を基準に考えることでストレスを軽減できます。
「単語何語以上」「演習何ページ」といった目標をつくり、達成できた日を記録していけば、印やチェックが増えていくことが自信につながっていくでしょう。
受験ストレスで起こる問題と解消法～ストレスと上手く付き合うには～｜まとめ
受験期のストレスは、原因を明らかにして適切に対処することで、解消していくことができます。
生活リズムを整え、学習の入口を具体化し、無理のない範囲で続けることが受験勉強を続けるための土台となるでしょう。
また、できなかった部分ばかりではなく、できた部分にも目を向けて、必要なときは休息をとることが、やる気や向上心にもつながります。
完全さを求めすぎず、自分のペースで学習に取り組んでいきましょう。
