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大学受験の補欠合格って結局なに?追加合格との違いや注意点を解説!

2023年04月17日 2023年03月28日

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受験生であれば誰しも「補欠合格」「追加合格」という言葉を耳にしたことがあると思います。
でも、実際にどのような仕組みになっているのかは分かっていない、という方も多いのではないでしょうか。

今回は、大学受験における「補欠合格」や「追加合格」についての解説、そして「補欠合格」の可能性と注意点をご紹介します。

補欠合格と追加合格の違いは?

疑問学生

そもそも補欠合格追加合格とは何なのか?
ここでは、それぞれの意味と仕組みについて解説します。

補欠合格について解説

滑り止めでの受験だったり、家庭や体調面の事情など、様々な理由により合格した大学への入学を辞退する人が存在します。
大学側は、ある程度の入学者を確保したいため、正規の合格者が入学を辞退した場合に、受験者の中から追加で合格する人を選出しなければなりません。

この時、追加で合格する人を全ての受験者の中から選ぶのではなく、あらかじめ『入学辞退者が出た場合に追加で合格できる人』を選出しておき、その中から追加合格者を選びます。
この『入学辞退者が出た場合に追加で合格できる人』、いわば『合格候補者』というのが補欠合格者です。

入学辞退者がいなければ、当然、追加合格者もいないので、あくまで入学辞退者がいた場合に追加で合格となり入学する権利が与えられます。
そのため、補欠合格という名前ですが、補欠合格の通知が来た段階では、まだ入学できると決まったわけではないということです。
大学によって「補欠」「補欠者」「追加合格候補者」など、別の言い方をすることもあります。

追加合格について解説

補欠合格とあわせて、この追加合格という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

追加合格というのはその名の通り、大学に追加で合格する人のことを言います。
多くの場合、補欠合格者の中から追加合格者が選出されますが、稀に試験問題のミスなど大学側の不手際による理由で追加合格になるケースもあります。

補欠合格と大きく違うのは、この追加合格の通知が来た時点で、いわゆる『合格』となり、その大学に入学する権利が与えられるという点です。
この追加合格のことを、繰り上げ合格と呼ぶこともあります。

補欠合格から追加合格になる可能性は?

では、実際に補欠合格となった場合、そこから追加で合格できる可能性はどの程度なのでしょうか。
大学によって様々ですし、年によっても異なるので、正確な数字を出すことはできませんが、重要となるポイントをご紹介します。

私立か国公立かによって異なる

どれくらいの人が補欠合格から追加合格になるのかという点を考える上で、最も重要となるのがこの「私立か国公立か」という部分です。

大学受験において、第一志望を国公立の大学に、第二志望を私立の大学にして、併願受験をする方も多いのではないでしょうか。
滑り止めとして私立大学を受験した人が、第一志望である国公立大学に合格した場合、第二志望である私立大学の合格を辞退するということは少なくありません。
つまり、私立大学は入学辞退者が多いめ、補欠合格から追加で合格できる可能性は高いといえるでしょう。
たとえ難関の私立大学であっても、より偏差値の高い国公立大学を第一志望とする受験者は多く存在するため、補欠合格からの追加合格が期待できます。

逆に、国公立大学で補欠合格となっても、入学を辞退する人が極めて少ないため、追加で合格できる可能性は低いです。
また、国公立大学では補欠合格の通知を行わず、単に追加合格の通知が行われる方法が一般的なので、そもそも補欠合格者自体が存在しないこともあります。

補欠合格の追加合格率は上昇している

実は、補欠合格から追加で合格する確率は、近年上昇の傾向を見せています。
有名な難関私立大学のうち、補欠合格者と追加合格者の人数を公式サイト上で公開している各大学のデータを、以下にまとめました。

大学名 項目 2019 2020 2021
早稲田大学 補欠合格者数 3,170名 3,132名 3,577名
追加合格者数 604名 1,015名 1,580名
追加合格率 19.05% 32.40% 44.17%
慶應義塾大学 補欠合格者数 2,343名 3,132名 2,435名
追加合格者数 684名 1,015名 1,283名
追加合格率 29.19% 32.40% 52.68%
関西大学 補欠合格者数 1,802名 2,236名 3,043名
追加合格者数 206名 1,242名 2,146名
追加合格率 11.43% 55.54% 70.52%
関西学院大学 補欠合格者数 2,230名 1,944名 2,922名
追加合格者数 447名 1,312名 2,234名
追加合格率 20.04% 67.48% 74.66%

上記の表を見ていただくと、追加合格率は軒並み上昇傾向にあることが分かります。

追加合格率上昇の主な要因は、文部科学省が実施している『私立大学の定員厳格化』です。
東京や大阪など、大都市圏の大学に学生が集中する状況を是正するための施策で、基準値を超えて入学させた場合に「私立大学等経常費補助金」を交付しないという内容です。
その基準値は、2016年に1.17倍、2017年に1.14倍、2018年には1.1倍まで引き下げられており、この施策によって大学側は合格者を減らさざるを得なくなりました。

しかし、基準値のギリギリまで学生を入学させたい大学側は、入学辞退者が出てしまった時、補欠合格を上手く利用して追加合格者を出すことで、入学する学生の人数を調整しているのです。

補欠合格の注意点

ポイント

補欠合格になったからといって、まだ手放しでは喜べません。
ここでは、補欠合格になった場合の注意点についてご紹介します。

通知のタイミングが分からない

補欠合格の通知はいつ頃来るのか?
私立大学の場合は、通常の合格発表の際に通知されることが多く、国公立大学ではそもそも補欠合格の通知がないことがほとんどです。

最も気になる、補欠合格から追加合格が発表される時期ですが、こちらは大学によって通知方法も時期も様々なので、必ず事前に確認しておきましょう。
「追加合格の通知が来ていることに気付かず、気付いた時には入学手続きの期限が過ぎていた」なんてことにならないためにも、志望校の合格通知方法について調べておいてください。

勉強する手を止めてはいけない

先ほどお伝えした通り、追加合格の通知が来る時期は分かりません。
2月下旬に受験した大学に補欠合格し、3月中旬に追加合格通知が来るということもあります。

ではあなたは、補欠合格になってから追加合格の通知を待つ間、どのように過ごしますか?
来るかどうか分からない追加合格の通知を、ただただ待っていることはおススメしません。
後期受験を控えている方浪人の可能性がある方は、補欠合格になったからといって勉強を怠らず、次の受験の準備を進めましょう。

大学受験の補欠合格とは?|まとめ

補欠合格の通知が来ても、まだ正規の合格ではないため油断はできません。

ですが、そこから追加合格になる可能性があることも頭に入れておきつつ、通知方法入学手続きの方法について、しっかり確認しておきましょう。

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