大学受験を控えているみなさん、もう志望校や学部は選びましたか?
「志望校・学部の選び方が分からない…」と悩んでいる方も、中にはいるのではないでしょうか。
また、「自分が選んだ志望校・学部は間違ってないか…」という不安を抱いている方もいると思います。
そんな方々のために、今回は大学受験における志望校の選び方を、重要な8つのポイントと共に紹介します。
まだ志望校が決まっていない方も、既に志望校が決まっている方も、本記事を参考に自分の志望校について改めて考えてみてください。
志望校・学部を決める必要はあるの?
高校2・3年生になると、周囲から「志望校や学部は決まったのか」という質問をよくされます。
実際のところ志望校や学部を決めることはそんなに重要なの?そんな風に思っている受験生もいるかもしれませんが、ズバリ言います。
志望校は決めておくべきです!
志望校を決めることにどういう意味があるのか、ここではそんな疑問に答えていきたいと思います。
明確な目標がモチベーションを上げる
人間が成長するために、目標を設定しておくことはとても重要であり、そして誰しもが、今まで自然と行ってきたことでもあります。
・目標体重を〇〇㎏に設定してダイエットを頑張った!
・ゲーム内ランク〇〇位以内を目指して腕を磨いた!
これらは全て、目標を設定したことにより努力することができ、成長した例です。
大学受験においても同様で、「志望校」という明確な目標があることは、勉強するモチベーションを高めてくれるでしょう。
ここで気を付けなければいけないのは、高すぎる目標は不安を生み、低すぎる目標は甘えを生むという点です。
志望校・学部の決め方が今後の受験勉強に大きく影響を及ぼす可能性があることも、頭に入れておいてくださいね。
受験には傾向と対策が必要不可欠
志望校・学部を決めるべき大きな理由の一つが「傾向と対策」です。
出題の傾向を知り、それに対して最も有効な勉強をするなどの対策を取るということが、大学受験においては極めて重要視されています。
大学や学部・学科によって入試で出題される問題は多種多様なので、闇雲に問題集を解き続けるのは効率が悪いです。
志望校と学部をあらかじめ決めた上で、その志望校の学部の出題形式・難易度・頻出分野などを知っておくと志望校合格に特化した勉強ができます。
志望校の最終決定は焦らなくても良い
ここまで、志望校・学部を決めた場合に得られるメリットを紹介してきましたが、志望校・学部は自分の将来に関わるとても重要なことです。
学部は勉強科目に関わってくるので早めに決める必要がありますが、志望校に関しては焦ってすぐに決める必要はありません。
行きたい大学が多くて選びきれない!という方、第一志望~第三志望まで候補を出しておいて、最終的に志望校を決めるのは共通テスト前後の12月~1月にする方法も1つです。
かといって、全くもって志望校が決まっていないというのはリスクを伴いますので、大学の傾向と対策を知るためにも、ある程度の候補は選んでおいてくださいね。
「学び」で決める|志望校・学部の選び方と注意点
ここまで志望校や学部を決める重要性をご説明してきましたが、ここからは多くの大学の中から自分にあった学校を見つけられるために、志望校・学部の選び方について具体的に紹介したいと思います。
志望校・学部の選び方のポイントを、「学び」と「環境」の観点から探っていきましょう。
また、志望校・学部を選ぶ上で注意するポイントがあれば、そちらもあわせてご紹介していきます。
①学びたいことで選ぶ
何のために大学へ行くのかを深く考えてみることは、志望校・学部を選ぶ上でとても重要です。
あなたが学びたいことは何ですか?
同じ大学の中でも、学部・学科によって科目、配点、受験方式など、入試の内容が全く異なります。
志望校合格に特化した勉強をするためにも、学部・学科を考えて志望校を決めることは非常に重要なポイントです。
もし、まだ明確に学びたい分野が決まっていないのであれば、総合〇〇学部というような様々な分野を学べる学部が設置されている大学もあるため、一度、大学の学部・学科について調べてみてください。
②偏差値で選ぶ
偏差値というのは、可視化されたその大学・学部の難易度ともいえるでしょう。
偏差値の高い大学には、有名な教授がいたり、最先端の設備があったり、各分野において最高レベルの研究をしているところが多いです。
また、志望校の偏差値と自分の偏差値を知ることで、合格に向けた勉強カリキュラムを組むこともできるでしょう。
偏差値だけに注目して興味のない学部に入らない!
恐らく偏差値で大学を見ている高校生はかなり多いのではないでしょうか。
数字だけで大学を見てしまうと、入学後の学問に熱量が注げないので就活などで苦労する例が多数報告されています。
偏差値も大切ですが、入学後に自分が苦労しないためにも、先述の通り”何を学びたいのか”を考えて志望校・学部を選ぶことをおすすめします。
また、大学によって得意な分野が違ったりするので、偏差値だけで学びのレベルを判断せず、過去の実績や現在の環境などを知ることも重要です。
③国公立・私立で選ぶ
国公立と私立には様々な違いがあるので、志望校の決め方に悩んでいる方は、ひとまずどちらにするのかを決めてみてもいいかもしれません。
まずは学費で、1年間の平均学費は、国公立:約50万円、私立:約100万~130万円で、圧倒的に国公立の方が安いという事が分かります。
受験形式も異なり、国公立は共通テスト+一般入試、私立は学部・学科によりますが、一般入試のみという場合が多いです。
受験科目も、国公立は5教科7科目、私立は3教科4科目ほどが目安となります。
2025年年度から共通テストの科目が増える!
学習指導要領の変更にともない、2025年年度からの共通テストは6教科8科目になります。
科目が増えるので当然、勉強量も増え、それに伴い1年間の勉強スケジュールもこれまでのものが通用しなくなる可能性が高いです。
その他にも、国語や数学②の試験時間が10分増えるなど細かい変更もあるので、2025年以降の試験を受ける方はしっかり情報を確認しておく必要があります。
「環境」で決める|志望校・学部の選び方と注意点
つづいて、志望校・学部の選び方のポイントを「環境」の視点から3つ紹介します。
一つとして、同じ環境の大学はありませんし、複数のキャンパスを持っている大学もあるので、同じ大学でもその環境は様々です。
4年間過ごす大学生活。あなたにとって最適な環境で学びましょう。
④設備・施設で選ぶ
最先端の研究設備が整っていたり、珍しい施設があったり、大学によって設備や施設は異なります。
また、その違いがそれぞれの大学の特徴であり魅力といえるでしょう。
中には、漫画~ビジネス書まで約7万冊もの蔵書数を誇るお洒落で綺麗な図書館がある大学や、キャンパス内に数々の重要文化財を所有している大学も存在します。
4年間という長い時間を過ごす大学生活において、キャンパス内の設備・施設が充実していることは、学びの点でもそれ以外の点でも重要です。
⑤学費で選ぶ
国公立・私立に関する項目でも少し述べましたが、学費も志望校・学部の選び方において重要なポイントになります。
大学によって学費は当然異なりますが、同じ大学でも学部・学科ごとに大きな差があり、特に、私立理系は学費の平均が年間120万以上と、比較的高めのようです。
学費の他にも、遠方の大学に通う場合は一人暮らしのための費用など、さらにお金がかかることもあるでしょう。
志望校の学費をきちんと調べた上で、家族に相談してみましょう。
⑥立地で選ぶ
意外に思われるかもしれませんが、志望校のキャンパスがどこにあるのか、これも志望校・学部の選び方において大切なポイントなんです。
いくら最先端の研究設備があっても、いくら憧れのお洒落な施設があっても、大学に行かなければ到底意味がありません。
自宅からのアクセスが悪くて大学にあまり行かなくなった…というような結果にならないためにも、事前に調べておくことが大事です。
その上で、自宅から通うのか、大学に近い場所で一人暮らしをするのかを検討する必要があるかもしれません。
志望校を決める上で、立地は意外と重要なので、一度確認してみてくださいね。
学部や学科によってキャンパスが違うことに注意!
ほとんどの大学は、学部や学科ごとにキャンパスが分かれています。
多いのは文系・理系で分かれてるパターンで、文系は○○県、理系は○○県といった具合に県が違うことも珍しくありません。
特に、大きな実験施設が必要な理系は、郊外や地方の山の中にキャンパスがあることも多いです。
「実家から通えると思って受験して、いざ合格したら一人暮らしなければならないけど、お金がない」なんてことがないように、学部・学科のキャンパスがどこにあるのかは必ず確認しておきましょう。
「将来」で決める|志望校・学部の選び方と注意点
最後にご紹介するのは、「将来」の視点で志望校を決める選び方です。
大学を卒業した後、多くの方は就職活動を経て社会に進出します。
最近は「学歴で判断しない」という風潮が高まってきていますが、就職活動をする中で、いわゆる学歴フィルターがあると感じた方も少なくないようです。
特に専門性の高い職種や競争率の高い職種に就きたい方にとって、卒業する大学や学部は、就職活動で重要な要素になってきます。
⑦就職率や就職状況で選ぶ
大学は、就職する前に通う最後の教育機関です。
4年間の生活を実りのあるものにしたい受験生の方々は、「自分が将来何をしたいか」にそって大学を選ぶことが最も重要と言えるでしょう。
〇例1,卒業後は公務員になりたい
~公務員試験合格者が多い大学にする。
〇例2,宇宙に関する研究者になりたい
~権威のある教授・研究室のある大学を探す。
上記のように大学の立地やネームバリューだけではなく長い目を持って選ぶことで、将来の選択肢を広げることに繋がります。
ちなみに日本で公務員を最も多く輩出しているのは日本大学で、宇宙に関して優れている大学としては東北大学などが有名です。
⑧ネームバリューで選ぶ
ネームバリューがある大学は何の理由もなく有名になった訳ではなく、必ず何かしら評価されているポイントがあります。
教育のレベルが高い・研究設備が整っている・就職率が高いなど大学によってポイントは異なりますが、少なくともある分野・方向性において優れているのは確かです。
志望校選びに悩んでいる方は、闇雲に大学を探すのではなく、まずはネームバリューのある大学をピックアップしてその中から選んでみるという方法もおすすめですよ。
地元だけのネームバリューに注意!
大学を卒業して就職することを考えると、企業側が大学の名前を知っているかどうかというのは非常に重要です。
もちろん全国レベルで有名なネームバリューのある大学に進学できれば万歳ものですが、大学受験はそんなに簡単ではありません。
「地元では有名だから」などといった理由で地元しかネームバリューがない大学を選んでしまうと、「関東で就職したいのに自分の大学を誰も知らず印象が薄くなってしまう」といった状態になってしまいます。
地元で就職するのであれば全く問題はありませんが、在学中に気が変わってしまうと厄介なことに発展する可能性があるので、地元だけのネームバリューには注意が必要です。
どうしても選び方が分からないあなたへ
ここまで、志望校や学部の選び方について、「学び」から3つ、「環境」から3つ、「将来」から2つ、計8つご紹介してきましたが、それでもどうしても決められないという方もいるのではないでしょうか。
そんな方は、まず大学についての情報をたくさん得ることから始めてみましょう。
また、自分だけで志望校や学部を選ぶのではなく、受験のプロでもある予備校の講師に相談してみるのもおすすめです。
色々な大学について知ろう
日本には、800近い数の大学が存在します。
もちろん、日本の全ての大学を調べ尽くすことは難しいですし、全てを調べる必要もありませんが、まだあなたが知らない魅力的な大学が意外と近くにあるかもしれません。
少しでも気になった大学があれば、その大学の資料を請求してみたり、オープンキャンパスに行ってみてください。
新たな発見や出会いがあり、あなたの志望校選びを手伝ってくれるかもしれませんよ。
入試情報を調べよう
大学入試には、一般入試の他に、推薦、総合型選抜(AO入試)があります。
大学・学部によって募集条件は異なるので、もしかしたらあなたの条件に合う大学が見つかるかもしれません。
また、各大学の入試情報を調べ、入試の特徴を知れば、自分に適した大学・学部に出会えることがあります。
大学・学部の調査も受験勉強の一つだと思って取り組んでみてはいかがでしょうか?
予備校の講師に相談してみよう
「誰よりも受験知識に豊富な人」と聞いて誰を思い浮かべるべしょうか。
偏差値マニアの友達や高校の先生などを思い浮かべるかもしれませんが、正解は予備校の講師です。
進路に迷った時は、何年もの間受験生を導いてきたプロに相談するのが1番。
予備校によっては無料で相談をすることもでき、そのまま入塾してよりハイレベルな大学に挑戦するのもいいのではないでしょうか。
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▶大学受験に予備校って必要?四大予備校のスタンスと選び方
学校の進路担当に相談してみよう
学生にとって身近な存在でもある高校の進路担当の先生に相談する方法もおすすめです。
ただこれは少し運の要素もあり、進学校であれば私立大学への進学を止められたり、「とりあえず医学部!!」のようなゴリ押しをかます教師がいることは否定できません。
もちろんその中にもその人の意見を尊重して応援してくれる先生もおり、そのために運と申し上げました。
相談する前は必ず、担当の評判などを確かめてから臨むようにしましょう。
大学受験における志望校・学部の選び方|まとめ
今回は、志望校や学部の選び方について紹介してきました。
志望校を選ぶ上でのポイントは数多くあります。
どの大学・学部を目指すのかによって、今後の受験勉強の仕方や内容は大きく変わってくるので、志望校・学部は慎重に選ぶべきといえるでしょう。
まずはネームバリューのある大学・学部をピックアップし、そこから探してみる方法もおすすめです。
一人では志望校・学部を決められないという方は、塾・予備校へ通うことも検討してみてはいかがでしょうか?
今の自分の学力や苦手分野などを客観的に分析した上で、志望校や学部の相談に乗ってくれるでしょう。